――2010年にギャル雑誌とモデルを中心としたギャルカルチャーが盛り上がりを見せた後、それに続いて、「青文字系」と呼ばれるカジュアル系ファッション誌の読者モデルたちが台頭してきている。いわゆる"モデル"とは異なる彼女たちが注目されるのはなぜなのか?
益若つばさと並んで2010年にメディア露出を増やしたギャルモデル・小森純。現在も「Popsister」(角川春樹事務所)などで活躍中。
2010年は、益若つばさや小森純といったモデルを旗頭に、「ギャル」が何かと注目を浴びた。90年代のギャルブームとはまた違う、「等身大」「堅実」「意外と暗い」というような彼女たちのあり方が注目を浴びた面は大きいが、この盛り上がりを印象づけたのは、彼女たちのようなギャル系モデルが、主戦場だったファッション誌を飛び出して、バラエティ番組やさまざまなイベントに登場するようになったことにあるだろう。
益若や小森のもともとの肩書は「ファッションモデル」。しかし、益若は身長150センチ、小森は158センチと、およそモデルとは言い難いスタイルの持ち主だ。彼女たちのキャリアのスタートは雑誌だが、モデルクラブ(モデル専門事務所)に所属してデザイナーやブランドと契約を交わすプロフェッショナルモデルとは異なる、「読者モデル」通称"読モ"と呼ばれる存在だった。フリーターや学生、あるいはOLなど、その雑誌の読者層と同じような肩書を持って誌面に登場し、一般読者の代表としてリアルなファッションを見せる――それが"読モ"だ。例を挙げれば、雑誌「小悪魔ageha」(インフォレスト)のモデルが一番わかりやすいだろう。同誌はキャバクラなどで働く女の子を主な読者層に持つが、その誌面に登場するage嬢と呼ばれるモデルたちも、夜の仕事に就いている子がほとんど。つまり、age嬢は"読モ"なのである。