フェイスブック上陸に伴い、ビジネス誌でもてはやされているZynga。ソーシャルゲーム業界の風雲児である同社が、日本のウェブに及ぼす影響とは? 今月の「CYZO×PLANETS カルチャー時評」の映画『ソーシャル・ネットワーク』座談会(参照)にも参加している情報環境研究者・濱野智史氏と批評家・宇野常寛氏に話を聞いた。
Zyngaがフェイスブックで提供しているソーシャルゲーム『ファームヴィル』(写真左)と、ミクシィで圧倒的な人気を誇る『サンシャイン牧場』(写真右)。どちらもやることは畑の開墾や牧畜などで、ほとんど変わりはない。
日本のメディアがフェイスブックを特集する際に、頻繁に取り上げられるのが、SAP(ソーシャル・アプリ・プロバイダ)のZynga(ジンガ)だ。同社がフェイスブックに提供しているアプリのユーザーは3億人を超えるともいわれ、2010年8月には日本のIT関連会社ウノウを買収し、本格的に日本市場への参入を果たした。その規模から同社は、ビジネス誌において日本のソーシャルゲーム市場をおびやかす存在として取り沙汰されている。一方で、日本の「モバゲーTOWN(以下、モバゲー)」運営元のDeNAは同年10月にアメリカのソーシャルゲーム会社を買収、GREEも今年1月には米国子会社設立計画を発表するなど、国内のSNS企業も世界戦略を打ち出し始めている。はたしてZyngaの日本参入は、日本のウェブ環境にどのような影響をもたらすのか? 情報環境研究者の濱野智史氏は次のように話す。