1巻ならではの散漫っぷりが魅力!? BL作家が描く『つなぐと星座になるように』

──趣味の細分化が進み、ますます男女の垣根がなくなりつつある"マンガ"。いくら売れなくなってきているとはいえ、マンガ大国日本の底力は健在です! 何を読んだらいいかわからない? ならばまずはこれを読め!

2011年4月号 COMICクロスレビュー

■王女と従者の歴史大河ロマン

『女王の花』(3巻)
作/和泉かねよし
掲載/「ベツコミ」(小学館)
価格/420円 発行日/1月26日
正妃の母・黄妃が病弱だった為に、周囲から冷遇されていた亜の国の姫・亜姫。かつて母に仕えた青徹と知り合って文武を学び聡明に成長するが、それ故にさらに疎まれて母の生国へ人質として送られてしまう。従者で胡人(異人)の薄星と亜姫の未来は? 本巻では在りし日の母・黄妃と青徹の物語が描かれる。少女マンガの一種の王道、歴史大河モノ。


【ライター、編集者・高野評】
★★★★★☆☆☆☆☆
矜持も深慮もないヒロインで大丈夫?
青徹過去編、以上。導く男とヒロインの母・黄妃との叶わなかった恋を描くこのパートはよくまとまっていたものの、目新しさはなく、NHKがアニメ化しそうな中国モノ(『十二国記』や『彩雲国物語』のいいとこ取り)というデジャヴ感、あざとさだけが印象に残った。やがて女王になるというのなら、亜姫はもっと深く考え悩まなければならないし、生まれもっての矜持があるなら「へたり込んでケツ汚す」など問題外。読者はもっと利口では?

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