(写真=有高唯之)
性同一性障害の現代アーティスト・ピュ~ぴる。太陽系の星々をモチーフにしたコスチューム作品『PLANETARIA』や、自身の身体と精神の軌跡をモチーフにした『SELF PORTRAIT』など、独創性あふれる過激な表現で世間を挑発し続け、海外からの注目度も高い異彩のクリエイターである。
そんな"彼"が"彼女"に変わるまでの8年間を記録したドキュメンタリー映画『ピュ~ぴる』が、この春、公開される。なぜピュ~ぴるは、性転換手術という人生の岐路に至るまでの濃密な時間を、カメラの前にさらけ出したのだろう?
「松永(大司)監督とは古くからの友人で、彼から『映画を作りたいと思っている』というような相談を受けて。そのときに『それなら私の生きざまを撮って』と答えたのが、この映画の始まりです。その頃はニットの作品を制作していたんですが、自分のなかでは"命がけ"という言葉が大げさではないくらいの想いを込めて毛糸を編み続けていたので、そのすべてを記録してもらいたかったんです」