設定が面白いだけの出オチ!? 作り込みが甘すぎる『放課後のカリスマ』

──趣味の細分化が進み、ますます男女の垣根がなくなりつつある"マンガ"。いくら売れなくなってきているとはいえ、マンガ大国日本の底力は健在です! 何を読んだらいいかわからない? ならばまずはこれを読め!

2011年3月号 COMICクロスレビュー

■逆高校デビューを図った異色のヤンキー

『ナンバデッドエンド』(11巻)
作/小沢としお
掲載/「少年チャンピオン」(秋田書店)
価格/420円
発行/1月7日
08年に終了した『ナンバMG5』の続編。ヤンキー一家に生まれて喧嘩に明け暮れる日々に飽き、高校からは真面目に、と逆高校デビューした難破剛。家族や不良仲間にはそれを隠して特攻服で外出し、途中で着替えるような二重生活を送っていた(ここまでは『MG5』)。だがさまざまな争いに巻き込まれ喧嘩を繰り返すうち、徐々にそれはバレて……。


【脚本/演出家・麻草評】
★★★★★★★★☆☆
破綻したギャグ設定に苦しむ主人公
二重生活コメディが破綻して、許され続けたギャグ設定が主人公を苦しめる。小沢作品の魅力のひとつに、葛藤を乗り越えたあとに交わされる屈託のない笑顔が挙げられるが、この巻では延々と、人が笑えなくなっていく残酷な過程が緻密に描かれる。ハッキリいってこの巻から読むことはオススメしない。『MG5』で存分にシャバい剛を楽しんでから、もう一度味わっていただきたい。これが15年間の重みかと、読んでいて腹が痛くなる。

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