映像作家と映像プロデューサーが語る仁義なき権利闘争──「日本の法律は変えなければならない」

【1】の通り、MVの制作会社には「MVの権利はすべてレコード会社に帰属する」という契約書が送られて来ている。その一方的な内容に関し、映像制作サイドはどう受け止めているのか。映像作家の丹下紘希氏(音楽映像製作者協会(以下、MVPA)【註1】理事長)、映像プロデューサーの佐藤武司氏(同協会理事会員)の両名に話を聞いた。

──現在、MVの制作会社にレコード会社から送られてきているという、契約書の問題点について教えて下さい。

メディアで放映されたダンスシーンのみのAKB48「Beginner」のMV。中島監督起用の意義は一体?

佐藤(以下、) 制作会社宛に送られてくる書類は、受発注書【註2】と契約書ですが、問題は、別々に話し合われるべき「制作時の約束事」と「納品後の成果物の権利」が、ひとつの書類にまとめられ、納品間近、あるいは制作完了後に送られてくる点です。

丹下(以下、) 現在契約書を出しているレコード会社は6社くらい。その内容について、僕は佐藤さんと共に内閣府の知財本部【註3】を訪ね、何度か話し合いを持ちました。しかし、意見をしたからなのか、その後、同じような厳しい文言の契約書が、一斉に出回るようになったんです。

──知財本部ではどんな話し合いを?

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2024.11.22 UP DATE

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