マスコミ業界──広告費激減に揺れるテレビと堅実経営にシフトする全国紙の明暗

──斜陽産業と呼ばれて久しい、オールドメディアのテレビと新聞。厳しい経営状況を打開すべく、コンテンツやアーカイブの有料化に着手するも、その見通しは明るくない。そんな業界に、起死回生策はあるのだろうか?

(イラスト/都築潤)

勝ち企業

フジテレビ、日本テレビ
広告収入が下がりつづけるも、新しいビジネススキームを見いだせないテレビ局において、「良質の番組を作る→視聴率を上げる→広告費を確保」することができている。

読売新聞、朝日新聞
近い将来、全国紙が1、2紙なくなるとの予測の元に、全国津々浦々に販売店を広げる読売と、運営効率化にシフトした朝日の2大巨頭は勝ち組といえる。

負け企業

TBS
ゴールデンに報道番組、昼に帯番組を敷いたTBSの大改革は大外れ。これが今後の経営にどれほど悪影響をもたらすかは未知数。

毎日新聞、産経新聞
部数においても、経営戦略においても、読売と朝日との差は歴然。

 近年、広告の落ち込みなどで没落傾向のマスコミ業界。苦しい台所事情は各社共通だが、その中でも、明暗が分かれつつある。「日本の広告費の総額は、07年の7兆191億円をピークに、08年は前年比4・7%減、リーマンショックの影響著しい09年にはさらに11・5%減と、一気に下落しています」と説明するのは、『新聞・TVが消える日』(集英社新書)の著者、猪熊建夫氏。

 雑誌、新聞を追い抜き、今や出稿量2位となったネット広告約7000億円(09年)に対し、1位のテレビは1兆7139億円。いまだ群を抜いて高い広告費であることには変わりがない。しかし、むしろテレビのほうが危機的な状況にあると猪熊氏は見る。

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2024.11.21 UP DATE

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