──昨今、好調が伝えられたメガバンク3社だが、新しい国際的金融規制やウィキリークスが予告するアメリカ大手銀行の暗部など、金融業界の勝敗は海外からの動きに左右されるようで……。
(イラスト/都築潤)
勝ち企業
三菱東京UFJ銀行
海外進出には一歩リードしているが、巨額を投じて買収したモルガン・スタンレーをコントロールできてないため、内紛説が囁かれている。三井住友銀行
日興コーディアルを傘下におさめ、次は大和証券グループに買収を仕掛け、弱点を補おうとしている。
負け企業
みずほ銀行
「みずほ」と「みずほコーポレート」という2つの銀行が共存しているいびつな関係に加え、海外進出にも出遅れている。新銀行東京
言うまでもなく、もはや死に体。石原慎太郎東京都知事の選挙公約により発足したが、知事が交代した後は、整理されるのは火を見るより明らか。
三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行の3メガバンクを頂点とする金融業界。直近の決算では3行とも好調な数字を上げているが、利益の大半は"国債バブル"が生んだトレーディング益によるもの。依然として、本業である貸し出し業務は伸び悩んでおり、各社の株価も他業種に比べてさえない。
そうした状況を踏まえ、ジャーナリストの須田慎一郎氏は、3メガバンクの「勝ち組・負け組」を決めるのは今後の海外進出の成否次第と指摘する。