1000億円市場のグラビアアイドル市場は、すでに崩壊間近!?

(絵/竹井千佳)

──9兆3300億円ともいわれるエンタメ市場だが、ある芸能プロ幹部によると「そのうち、グラビアアイドル市場は1000億円にも満たない」という。そんな小さなパイをめぐり、"当たれば、将来は女優、そしてCMの女王"とばかりに、芸能プロはこぞって若い金脈をグラビアに登場させてきた。しかし、長年殿方の目を癒してきたグラビアアイドルが、凋落の一途をたどっている──。
(本記事は2008年10月号掲載のものを再構成したものです。)

 グラビアアイドル業界は、ここ2~3年ですっかり冷えきったという。その現状と理由は本特集内で解説していくが、とにかくグラビアアイドルを多数抱える中堅芸能プロダクション社員のほとんどは、「不況、不況!!」と嘆いている。
 
 もちろん、彼女らがもっとも活躍する雑誌や写真集といった出版業界の不況が主だった理由のひとつであることに疑いはないが、こうした写真集、もしくはイメージDVDのリリースが、彼女らのメディアへの露出を限定し、不況を助長しているという。

「大手書店などが発表する、写真集やイメージDVDの売り上げランキングといえば、グラビアアイドルの人気バロメーターとして挙げられますが、これらはかなり作為的な部分が大きい。書店では、写真集やDVDの発売に合わせてイベントを開催するのですが、『2冊購入すれば、ツーショット撮影』や『3枚購入すれば、水着撮影』などの特典をエサに、ひとりにつき複数の商品を購入させるのが常套手段。そこでの売り上げ枚数がそのままランキングに反映されますからね。ですが、イベント以外での販売数は驚くほど少なく、中にはまったく売れないものも多いんですよ(苦笑)。さらに、もっとも大きな反響が期待できる『ランク王国』(TBS)といった情報番組のランキングは、写真集は書泉ブックマートなどの書店集計を、DVDは石丸電気『ISHiMARU SOFT1』の売り上げを基にしています。秋葉原のソフマップやラオックス、ラムタラなどは入らない。そのため、集計元となる店のイベント枠は、すでに知名度を獲得しているアイドルや大手芸能プロ・系列プロのタレントが占めるため、秋葉原では南明奈らS級アイドルよりもJr.アイドルのほうがはるかに売り上げ枚数・冊数は多いにもかかわらず、ランキングには見知った名前しか出てこない。バーターは別として、番組制作側がグラビアアイドルを起用する際、これらランキングを参考にすることも多い。出演するコが偏るのはこうした理由もあります」(芸能プロ関係者)

 そんなことが災いしているのか、グラビアアイドル市場にも、昔とは違った変化が表れているという。

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