──これまで、東京を中心とするクールでスマートな文化という印象があった日本のテクノ・シーン。それを席巻しつつあるのが、千葉で「FUTURE TERROR」というパーティを主宰するこのDJだ。
(写真/早船ケン)
DJ NOBUは00年代に日本で最も名を上げたテクノDJだろう。そのことは、彼が今年、1年を締めくくるビッグ・イベントである恵比寿リキッドルームのカウント・ダウン・パーティに、この国のテクノ・シーンを黎明期から引っ張り続ける2トップ、石野卓球、田中フミヤとともにクレジットされたことが証明している。これまで同シーンは、サウンドのトレンドが目まぐるしく移り変わるのにもかかわらず、なかなか新たな才能を輩出できずにいた。だからこそ、NOBUの登場は、脅威であり、希望だったのだ。
「DJで生活できるようになったのは、5年前ぐらいからかな。最近は月に6〜10本はやってる。マネージメント事務所には所属してなくて、営業もほとんどかけない。DJを直に聴いてくれた人が、話を持ってきてくれることが多いよ。だから、オレにとっては、一回一回のDJを外さないことが、一番の宣伝なんだ」