■今回の提言
「一枚岩でない相手国の情報を知り、賢い対中外交を」
ゲスト/高原基彰[社会学者]
──社会の現状を打破すべく、若手論客たちが自身の専門領域から日本を変える提言をぶっ放す! という本連載、今回は東アジア研究を専門とする社会学者の高原基彰さん。尖閣諸島問題を発端に、政局から民衆レベルまで日中関係をめぐって緊張が走るこの状況をどのようにとらえ、隣国とどうかかわっていくべきなのでしょうか?
荻上 今回は、東アジア、特に中国の外交問題をどう受け止めるべきかという、これまでと比べても論争的なテーマを扱います。お相手は、韓国・中国などに滞在しながら、社会学者の立場から東アジア研究をされてきた高原基彰さん。現在、尖閣諸島での船長拿捕事件をきっかけに、日中関係が一気に緊迫化しています。それぞれの政府の外交姿勢に対して、互いの国内では「弱腰だ」という政府批判の突き上げを含んだ反日デモ、反中デモが起こるなど、国民感情が悪化しているという状況です。