「週刊朝日」山口一臣編集長──タブー破りの"検事実名報道"で「週刊現代」にも怒られた!?

──雑誌不況にあっても、いや、雑誌不況であればこそ、どの雑誌も、読者獲得のためにタブーギリギリのテーマに挑み、戦っているのです。その中でも特に"過激"な6誌を勝手に選定し、その雑誌ならではの「タブー破り記事」をこっそり教えていただきました!

週刊朝日(10年2月11日号)

 今年のタブー記事といえば、やはり検察関連の報道ですね。現在も厚労省の村木厚子さんの冤罪事件や、検察の裏金問題の追及などを続けていますが、一連の検察追及の口火を切ったのが、ジャーナリストの上杉隆さんが書いた「暴走検察子ども"人質"に女性秘書『恫喝』10時間」(2月12日号)という記事でした。

 これは小沢一郎氏の元秘書である石川知裕衆院議員の秘書の女性を、東京地検特捜部が「証拠品を返すから、ちょっと来てほしい」とウソをついて呼び出し、そのまま夜中まで監禁していたという悪質極まる事件です。

 女性秘書が検察庁に行くと、取調室には民野健治という検事がいて、小沢氏と石川氏が共謀したことを認めるよう、繰り返し迫りました。しかし彼女は、石川氏が小沢氏の秘書をしていた時は、別の民主党議員秘書を務めていたので、知る由もありません。そのことを正直に答えると、民野検事は「なんでもいいから認めればいいんだよ」「早く帰りたいなら、早く認めて楽になれよ」と悪態をつき続けたのです。

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