天皇と被差別部落は、表裏一体!? 大宅賞作家、猿まわし師が語る新しい被差別部落問題【前編】

上原善広氏。(写真/佃 大平)

 かつて、テレビでその姿を見ない日はないほどの人気を誇った猿まわし師の村崎太郎氏が、被差別部落出身者であるとカミングアウトして2年がたった。これまでタブー視されがちだった同和問題だが、現在では様相が変わっているようだ──。

 今年、ノンフィクションの最高峰・大宅壮一ノンフィクション賞を受賞したのは、被差別部落出身のジャーナリスト上原善広氏による『日本の路地を旅する』(文藝春秋)だった。"路地"とは、同じく部落出身の作家・中上健次が部落地区を指す言葉として頻用したものだ。その中上が育った路地を訪ねて歩いたのは、彼と同郷の編集者の和賀正樹氏。ルポ『熊野・被差別ブルース』(現代書館)では、中上とその親戚である田畑稔の強烈な生きざまを丁寧に追っている。そんな2人の作家と、部落出身者をカミングアウトし、近著『橋はかかる』(ポプラ社)で自身の半生を振り返った村崎太郎氏が、変わりつつある被差別部落地区と同和問題について語り合った。

──村崎さんは、被差別部落出身であることをカミングアウトして以来、仕事の依頼が減ったと、あるインタビューで答えています。

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2024.11.22 UP DATE

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