──尖閣諸島をめぐる日中関係の悪化、民主化活動家・劉暁波氏のノーベル平和賞受賞など、中国が今世界を騒がせている。思想・言論の統制の厳しさも指摘され続ける同国だが、かの国で今真にタブーな話題とはなんなのか? それを破った人間には、どのような末路が待ち受けているのか?
(絵/中村 隆)
北京五輪と上海万博の開催に成功し、ついにGDPが日本を追い抜いた中国。
だが、今年9月7日の尖閣諸島沖での漁船衝突事件を皮切りに、同月の日本企業の社員拘束、各地で続発する反日デモなど、中国が日本に対して露骨に牙をむいているとしか思えない事態が現在も進行中だ。民主化宣言「零八(08)憲章」を発表した反体制作家・劉暁波氏のノーベル平和賞受賞について、国内向けに報道管制を敷くなど、自国民が当事者となった大ニュースすらもタブー扱いする「異常性」も相変わらずである。
一方、中国各地で多発していた反日デモに対し、10月4週目以降は当局が禁止する動きが見えるなど、「愛国的」に見える行動でも時にはタブーとされる様子は、日本人の目には極めて不可解に映る。
中国では、何を語ることが禁じられ、それがいかなる方法で封じられているのか。はた目にはわかりづらい、隣国のタブーの内実に斬り込んでみたい。