映像表現のタブーを宮内庁に直撃! 皇族の肖像権と権利侵害行為の行方

──ここまでは、映像表現における天皇の描かれ方とその禁忌性を見てきたが、役者が演じるのではなく、実物の天皇や皇族を撮影しているニュース映像などを映画に使用する場合、肖像権の問題はどう扱われるのだろうか。宮内庁に聞いてみた。

天皇を『撮る自由』は?

「天皇」に肖像権が存在することは、1986年、パラオ共和国が昭和天皇の肖像切手を発行したとして騒動となった「昭和天皇在位六十年記念切手無断発行事件」【※】でも明らかになった。だが、天皇を撮影したニュース映像を、宮内庁に無断で映画に使用することは問題にならないのだろうか?

「(天皇に関する)公式な行事については事前に撮影できる場所や時間をしっかりと決めて、メディアにも取材の手続きをきちんと要求しています。これは、(天皇が)どういう映り方になるのかをきちんと宮内庁で把握するためであり、そのときの映像はあらかじめ商業使用されることを前提と考えているんです。映画などに使用される映像を撮影して保持しているのは映像会社なので、その著作権は宮内庁ではなく、映像会社のもの。映画を作る人が映像を借りるときは、その会社の貸与基準に沿っているかどうかが問題となり、宮内庁側に権限はないんです」(宮内庁広報担当者)

 メディアではなく、一般人などの取材申請をしていない人物が公式行事中の天皇を撮影したものについてはどうなのだろうか?

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2024.11.22 UP DATE

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