【指揮】中国人民解放軍は、中国共産党中央軍事委員会の指揮下に置かれている。
中国人民解放軍は、陸軍兵力が約160万人。海軍は約26万人、空軍は約38万人とされる。対する日本の自衛隊は、陸上自衛隊が約16万人、海上が約4.5万人、航空が約4.7万人。戦車の数を見ても、中国は約7700両、日本は約790両。艦艇も中国の950隻に対して、日本は142隻。作戦用航空機も中国は約1950機に対して、日本は約340機と、その数だけ見れば、雲泥の差だ。
【兵器】主力戦闘機はロシア製のSu-27およびSu-30。近年は国産機も手がける。
だが、【1】にもある通り、中国の軍備には"質"が伴っていないとされる。兵器は旧式が多く、近代化されているものは少ない。現在は近代化を急ぐと共に、圧倒的だった陸軍の兵力を削減し、海空軍の拡大に注力している。運用面に関しても、コスト的な問題も含めて訓練時間が少なく、例えば空軍パイロットの訓練には日本の3〜4分の1程度しか割けていないといわれる。訓練中の事故も多いそうだ。急激な軍事費の拡大ぶりは、まさに自国のそうした弱点をカバーしなければならないと十分に認識している中国政府の焦りの表れともいえる。
【兵役】徴兵制はとっているものの、志願者だけで定員が満たされるため、事実上は機能していない。
だが、一方でUAV(無人航空機)の導入や、ネットワーク化された軍備という面では、自衛隊のそれを上回る面もあるという。このまま中国軍が発展し続ければ、20年後には、自衛隊と同等の質になるという研究機関の報告もある。対して、日本の防衛費は圧縮傾向で、人員不足が叫ばれている現場もあるそうだ。
中国の軍拡の裏には、周辺諸国との資源確保をめぐる領有権争いを有利に進めたいという思惑に加え、緊張関係にある台湾や日本といった周辺諸国、世界の覇権を争うアメリカなどに対する軍事的優位を確保したいという思惑があるとされる。日本と中国との関係が今後どうなるかは予断を許さないが、いつまでも「中国は恐るるに足らず」とは言ってはいられないだろう。