[アイドル編]ストーカーから洗脳まで──アイドルライター北川昌弘が選ぶ偶像の概念を壊す秀作

北川昌弘氏の著書『NIPPON
アイドル探偵団フレッシュ'04』

──アイドルが出演する映画DVDは世の中に氾濫している。そのなかから、アイドルライターの北川昌弘氏が、既存の概念を吹き飛ばすような秀作をズバッと選出。それらの作品に隠された魅力や意義について、解説してもらった!

 まずは2007年公開された『キサラギ』【1】かな。この作品は、「自殺したアイドル・如月ミキのファンたちが、彼女の死の真相を推理していく」という内容なんだけど、特筆すべき点は、如月ミキを演じている人物が誰なのかエンディングまでわからないこと。そして、期待をふくらませておいて、満を持して登場したのが声優の酒井香奈子。多分、ほとんどの人が「誰?」と思ったはずです(笑)。実際、この作品は興行的に成功していながら、アイドルファンの評判は良くない。この手の映画であれば、大々的に如月ミキ役のオーディションをするなどして、新人アイドルのプロモーションを兼ねるのが普通。アイドルファンにとっても、如月ミキがどんな娘なのかが一番重要ですから。でも、この映画はアイドル役の配役だけぞんざいに扱われています。

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2024.12.27 UP DATE

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