ランキングを独占!? 声優歌手とアニソンは、J-POPの救世主なのか?

──近年、アニメファン以外の客層からも支持を集めている声優歌手。しかしこれらは急激に売れ始めたのではなく、勃興期より少しずつマーケットを拡大してきたのだ。オタクビジネスとして支持を得てきたビジネスが、旧来のフィールドを飛び出しつつある現状を調査した。

『アニソンバカ一代』

 近年、音楽チャートを賑わせているのが、水樹奈々に代表される「声優」たちが、「アーティスト」として歌う声優ソングだ。彼女たちはアニメ声優としての人気を得つつも、時にはJ-POPアーティストを抑えてヒットチャートの上位を独占することも今は珍しくはない。

 しかし、「人気がある」といわれても、まだまだ一般人からすると、その実態はわかりづらい。その実態を調べるために、まずはこのジャンルがどのように育ってきたかを見ていきたい。

「声優ソング」の歴史は、1970年代半ばから始まる。ハイティーンのアニメファンが増えた当時、アイドル声優が誕生する。最初期に特に人気を集めたのは、古谷徹や神谷明などを擁し、77年に結成されたバンド「スラップスティック」だ。このバンドは、アニメのキャラを声優たちが演じてテーマ曲を歌う、いわゆる「キャラクターソング」以外の楽曲を演奏し、世間的な認知を得た最初のバンドであるといえるだろう。ムッシュかまやつや大瀧詠一などから楽曲提供を受けていたことから「声優歌手」が当初から本格志向であったことがうかがえる。

 とはいえまだまだ当時の「声優ソング」はニッチな存在であった。

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2024.11.22 UP DATE

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