『民主党派閥抗争史』。
小沢一郎を破り発足した第二次菅内閣。組閣後は高い支持率に支えられていたが、直後に直面した為替介入や尖閣諸島問題では、その判断を批判する向きも少なくなかった。だが、同内閣が内包する、それ以上に大きい問題は、「ある人物」の影響力が異常に増していることだという。その人物とは、小沢氏とは"犬猿の仲"として知られる仙谷由人官房長官。"反小沢"を錦の御旗に、権力を掌握し始めた仙谷氏に危険はないのか? 全国紙政治部デスク(A)、民放政治部記者(B)、全国紙社会部記者(C)が、民主党の"裏の顔"を語る──。
A 9月の民主党代表選で圧勝した菅直人政権が、またまた迷走を始めたね。尖閣諸島周辺の漁船衝突事件が運の尽き。逮捕した中国人船長を起訴しようとした検察当局に官邸が圧力をかけて無理やり釈放させた、と与野党双方から反発の声が上がってしまった。
B ちょうど菅首相も前原誠司外務大臣も訪米中で、日本に不在時の出来事。官邸の主、仙谷由人官房長官が柳田稔法務大臣の頭越しに検察に圧力をかけたといわれています。