「バンドでは、演れるとこまで演り切った」と、 "散開"表明時に語った、ロックバンド「BEAT CRUSADERS(ビート・クルセイダース)」のヴォーカリスト・ヒダカトオル。では彼は「これからのミュージシャンのあり方」をどう見ているのだろうか?
(写真/有高唯之)
──CDが売れず"音楽不況"と言われる中、現場のミュージシャンは、それをどのようにとらえているんでしょうか?
ヒダカ(以下、ヒ) あくまでもライブハウスのシーンは、引き続き盛り上がっているんですよ。そこから人がいなくなったわけじゃない。着うたでダウンロードする人が増えて、CDが売れなくなったという時代の流れはあるんだけれど、バンドをやってる人間にとっては、そこまで大きな変化とは感じてないんじゃないかな。9mm Parabellum Bulletやサカナクションなど、武道館でライブをできるくらい売れてる新人バンドだっているわけだから。
──では、CDの売り上げ低下は、それほど影響はしていないんでしょうか?
ヒ というよりも、結構売れてるバンドでも、もともとみんな音楽で食えてないっていうのが俺の素直な意見(笑)。夏フェスに出演してるようなバンドでも、音楽だけで生計を立てられてるのは実は半分くらい。ハスキング・ビーぐらい知名度のあったバンドでも、結構メンバーはバイトしてました。バンドマンって食えない職業なんですよ。もともと食えてないのに、さらに食えなくなりそうだという不安にかき立てられてるというのが実感ですね。