──7年前に雑誌誌上で対談したことがある2人が、久しぶりに膝を付き合わせた。前回から流れた月日は、日本の差別をめぐる状況にも変化を及ぼしたのではないだろうか。拡大する格差社会やネット社会。弱者がさらなる弱者に牙をむく歪んだ世界を、時に差別的な笑いを武器にしてきたビートたけしと、差別撤廃に向けた解放運動のリーダーはどう見るのか? 120分にわたった熱いトークの一部を公開する──。
(写真/江森康之)
ビートたけし(以下、たけし) 前に(組坂)委員長と対談したのは、「新潮45」(03年3月号/新潮社)ですよね?
組坂繁之(以下、組坂) ええ、あれは、もう7年前ですね。
たけし あのときは、差別表現とか糾弾についての話を中心に聞いて、部落差別の歴史的背景みたいなものをあんまり聞いてなかった気がするんですよ。今日はそういうことから聞いていきたいんです。日本の場合、被差別部落の問題が表に出てきたのって、いつ頃のことですか?