前編はこちら
岸博幸氏。
(写真/有高唯之)
藤 日本も頑張っていたと思うんです。例えばソニーも電子書籍端末を作っていたけど、うまくいかなかった。そういう失敗の検証もやらなきゃいけない。
岸 端末が競争力を持つかどうかは、技術力もさることながら、総合的なデザインの要素が大きい。日本の商品もかつてはデザイン力が強かったのに、最近は落ちている。大企業では、若い人が良い提案をしても、上の人が潰してしまう例も多いらしい。
藤 大学時代の教え子がソニーにいるけど、CEOがストリンガーになって良くなったらしいよ。ストリンガーに直接会って話ができるって。
岸 でもソニーは、グーグルとテレビで提携して、グーグルの下請にけなってしまった。あれはダメです。日本に競争力があるのは、端末かコンテンツだけなんだから。
藤 僕も端末は大事だと思う。世界で勝つためには、端末とコンテンツでプラットフォーム・レイヤーをサンドウィッチするしかない。