──前田日明が立ち上げた「ジ・アウトサイダー」。この、不良たちが大暴れする格闘技大会の成功に続けとばかり、次々とアマチュア格闘技団体が立ち上がっている。だが、「地下格闘技」と呼ばれるそれらのシーンが、よりメジャーになるためにはいくつかの課題もあるようだ。6月下旬、前田氏のもとに集結した各団体幹部の声に耳を傾けてみた──。
本誌でもたびたび取り上げてきた、前田日明氏のリングスが主催するアマチュア格闘技大会「ジ・アウトサイダー」。かつて暴走族や愚連隊、ヤクザなどだった不良たちに、格闘技を通じて更生の道を歩ませるというこの試み。プロにはない"がむしゃらファイト"や『あしたのジョー』ばりの成り上がりストーリーが観客を熱狂させ、08年の立ち上げ後、たちまち人気イベントとなった。
この盛り上がりに呼応して、不良たちを中心としたアマチュア格闘家をリングで戦わせる、いわゆる「地下格闘技」が全国各地で勃興。今では30近くの団体が、さまざまな格闘技イベントを開催しているという。K-1やDREAMといったプロの格闘技イベントが、かつての勢いを失っているのと反比例して、地下格闘界の勢力は拡大の一途をたどっているのだ。
そんな折、6月20日の「アウトサイダー」第12戦に、前田氏に敬意を抱く10の地下格闘技団体の幹部が集まり、同氏にあいさつを行い、その後、「地下格闘技サミット」なるものを開催するという。これまで全国規模での連携がなかった各団体の交流を深め、大同団結を模索しようという会合だ。仕掛け人は、知る人ぞ知る地下格闘界の顔役である高須基仁氏。コワモテの同氏いわく「おい、サイゾー。こんな機会はめったにないんだから、取材に来いよ。わかってるだろ!」。