──菅首相になって突如浮上した消費税の税率アップ構想。前途多難な財政再建問題を、前科7犯の会社オーナー・村西とおる氏、そして本誌でもおなじみの辛酸なめ子氏がスルドク分析!!
消費税・年金・財政
与党時代の自民党が、消費税の導入と税率の引き上げのたびに選挙で大敗を繰り返したことから、消費税引き上げ論議は選挙のタブーとされてきた。民主党マニフェストでも、05年版には年金目的消費税の導入が明記されていたものの、07年版では「消費税率は現行のまま」として、その後、論議自体を封印した。
ところが最新の10年版では「消費税を含む税制の抜本改革に関する協議を超党派で開始します」と方針転換。さらに、自民党が参院選公約に「消費税は当面10%」と明記したのに便乗し、菅首相も10%への引き上げを"口約"する始末だ。前出の神保氏は、「消費税引き上げもやむなし、という有権者は確実に増えているが、実際の投票行動に反映されるかどうかはギャンブル」と分析。その他、事業仕分けや中小企業支援等々、財政健全化政策の前途は多難だ。
現在3社の社長でもあるAV監督の村西とおる氏と、すでに2戸のマンションを購入し、やりくり上手で知られるマンガ家・コラムニストの辛酸なめ子氏は、そうした政策の行く末をどう予想する!?
村西とおる氏(左)と辛酸なめ子氏(右)。
──これまで出版社やAV制作会社を経営し、45億円の負債を抱えて倒産したこともある村西監督。現在も3社のオーナー社長でいらっしゃいますが、民主党が掲げる、中小企業金融の拡充や中小企業課税の軽減に期待していますか?
村西とおる(以下、村) 私どもは、国に邪魔をされたことはあっても、助けられたことなど一度たりともありません。中小企業のおやじというものは、朝から晩まで頭の中は資金繰りのことばかり。非情なるビジネスの世界に生きていますから、政治家が何かしてくれるなんて思っていません。マニフェストなんて、要するに「世の中をよくしたい」みたいなことを言って盛り上がって、射精しているだけでしょう。勝手におためごかしを言ってろ。政治家なんて人格的にもビジネス力においても二流三流。民草の稼業と忍耐の精神で存在しているんだ! カンペなんか読んで演説しちゃって、私らがカンペ持って取引先に行ったら出入り禁止ですよ、そうでしょう?