2006年末の突然の格闘家引退後、文筆業や俳優業などさまざまな表現分野で活躍する須藤元気が、パフォーマンスユニット「WORLD ORDER」を結成。このたび、アルバムデビューを飾った。
(写真/有高唯之)
格闘家時代、ACIDMANのプロデュースでCDをリリースしているものの、本格的なミュージシャンとしての活動はこれが初めて。しかも、スーツ姿の男7人が繰り広げる、コマ送りを見ているようなアニメーションダンスと、テクノハウスが融合した他に類を見ないユニットだ。本人に立ち上げの経緯を聞いた。
「遡ると高校時代からですね。当時ミュージシャンになるか格闘家になるかで真剣に迷って。結局格闘家を選んだんですけど、『もし音楽をやっていたら』という気持ちはずっと持っていました。現役時代に1枚CD出したんですけど、スポーツ選手がCD出すのって、正直イタいじゃないですか(笑)。だから、引退してしばらくたって、だんだん格闘家の匂いも薄まってきたところで始めました」
古巣の格闘技界は青息吐息。スポンサー離れが加速し、視聴率も稼げず、選手へのギャラ未払い問題が勃発するなど低迷が続いている。あの突然の引退宣言は、そうした業界の衰退を見越しての判断だったのか?