──ヤクザを扱った本は数あれど、"ヤクザが著者"という本は、意外に少ない。古くは山口組三代目の田岡一雄氏による自伝、最近では、元後藤組組長による『憚りながら』が話題になったが、これらの本には、意外な"読み方"があった──。
版形や体裁を変えて出版された田岡三代目の自伝と彼の娘によるエッセイ集。
山口組の中でも"いろいろ"な意味で目立っていた元後藤組組長・後藤忠政氏(得度名・忠叡)の著作『憚りながら』【1】が注目されている。
「政財界や創価学会との関係が、ほぼ実名で書かれていることが話題になっています。書かれた当事者からしてみれば大ごとなんだろうけど、少しでも裏社会に詳しい人からすると、知っている話が多く新鮮味はないと見る向きもありますよ」
ある実話誌ライターがこう語るように、"その筋の人"の目線では、話題作も違った見方ができるようだ。