[町山智浩の"ポニョ"評] 5点
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アメリカでもほとんどの子どもたちが喜んで見ている『となりのトトロ』を10点とすれば、『ポニョ』はせいぜい5点。中盤までの展開は良かったですが、後半の構成がまったくダメ。母親の働く老人ホームを目指す宗介とポニョの旅がクエスト(何かを探索する冒険)としてまったく機能していない。『千と千尋の神隠し』などは主人公の目的が提示されていたのに、ここでは旅の目的が宗介に自覚されていない。宗介がポニョを受け入れることが試練だとしながら、宗介は最初からポニョの正体を知っているのだから、全然意味がない。だから、子どもたちはハラハラしながら主人公を応援することができない。ドラマの体を成していません。