──これまでは、USTREAMなどの動画サイトとテレビの融合とその一例を見てきたが、各局とも、インターネット放送事業を展開している。しかし、業界団体の強い締め付けにより、なかなか普及しないという。そんなオンデマンド放送の現状を探った。
いち早く黒字化を達成した「TBSオンデマンド」の公式HP。
『NHKオンデマンド』や『第2日本テレビ』など、放送業界のニューメディアとして期待されているオンデマンド放送には、3つの配信方法がある。まず、地上波やBS・CSで過去1週間程度の間に放送された番組を配信する「見逃し配信」や、過去の名作ドラマやドキュメンタリーを配信する「アーカイブ放送」、そして「独自コンテンツの配信」だ。その収益化の構造は、視聴者が払う視聴料と番組につくスポンサー広告の2つ。不況にあえぐテレビ局にしてみれば、地上波、BS・CSに次ぐ第3の収入源として期待されているのだが、これらの事業はどの局も赤字続き。"映像図書館"とも呼ばれ、膨大な番組アーカイブの視聴を売りに鳴り物入りで始めた「NHKオンデマンド」では、今年度の決算で18億円もの赤字を見込んでいる。放送業界に詳しいマーケティング・プランナーの谷村智康氏はこう語る。