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経済政策立案のシステムの変更を阻害するものとは?
片岡さんの初の著書『日本の「失われた20年」 』
荻上 片岡さんの本の中では、経済政策の決定に到るまでの「認知」「決定」「実行」のフロー間に、それぞれにさまざまな「ラグ」が生じるという指摘がなされています。これはあらゆる社会問題と政治との関係に当てはまる見事な整理。「今何が起こっているのか」「何をすべきなのか」「いつ効果が表れるのか」、このラグに対するリテラシーが政策担当者に欠けていると、たとえばわずかな回復の時点で金融引き締めに走ったり、成長戦略なきままに財政再建を強行してしまったりしかねないわけです。
片岡さんには、こうしたラグを修正するために、経済学などの専門知を総動員すべきなのに、実際には阻害されてしまっているという現状認識があるように思います。具体的には何が阻害しているのでしょう?