"善良な市民"にとって小沢幹事長は不倶戴天の敵のようで……。
4月27日。東京地裁前の掲示板に張り出された検察審査会(検審)の一枚の文書に、新聞・テレビの社会部記者たちはくぎ付けになった。「絶大な指揮命令権限を持つ小沢氏を起訴し、公開の場で真実を明らかにすべきである」──。小沢一郎・民主党幹事長の秘書ら3人の逮捕者を出した政治資金規制法違反事件について、東京地検特捜部が2月に決定した「小沢不起訴」を真っ向から覆し、検審の審査員11人が全員一致で「起訴相当」を議決したのだ。
「議決理由に『善良な市民としての感覚』を挙げ、世論を代弁した形を取っています。これでは、公訴権を振りかざす検察の暴走などと捜査を批判してきた小沢氏や民主党の主張は通らない。多くの有権者に支持されたはずの民主党政権に向かって、逃げ場を与えない書きっぷりですね」(司法記者)
特捜部は今後3カ月以内に再捜査の結果を出す決まりだが、再び不起訴処分を出しても、検審が2度目の「起訴相当」を出す可能性は高く、すると規定により、小沢氏は強制起訴される。