ホントの大賞は『虫と歌』!?──気鋭の評論家がマンガ大賞作品辛口レビュー【後半】

──本誌連載陣の批評家・宇野常寛と、気鋭のマンガ評論家である麻草郁&森田真功がメッタ切り!"マンガ読み"必読のクロスレビュー、後半戦スタート!!

1位から5位はこちら

【評者紹介】

[麻草 郁]
あさくさ・かをる
1976年生まれ。脚本・演出家。マンガ図像学専門家として、演劇やデザイン論の観点からマンガを分析。「ユリイカ」(青土社)などにも執筆する。今年の7月には脚本演出を担当する舞台を上演予定。ブログ「絶叫機械+絶望中止

[宇野常寛]
うの・つねひろ
1978年生まれ。批評家・編集者。企画ユニット「第二次惑星開発委員会」主宰。今月から本誌にて新連載「批評のブルーオーシャン」がスタート。著書に『ゼロ年代の想像力』(早川書房)、近刊に『母性のディストピア』(新潮社)など。

[森田真功]
もりた・まさのり
1974年生まれ。ライター。純文学からマンガ、ロックミュージックからジャニーズまで取り扱うジャンルは幅広い。『ヤンキー文化論序説』(河出書房新社/五十嵐太郎・編)などに寄稿。レビューブログ「Lエルトセヴン7第2ステージ

※採点は10点満点


6位
『虫と歌 市川春子作品集』
作/市川春子
発行/講談社
既刊/1巻(読み切り、「月刊アフタヌーン」掲載)
06年に表題作でアフタヌーン四季賞・夏の四季大賞を受賞しデビューした作者の、これまで「月刊アフタヌーン」に掲載された読み切り作品を収めた初単行本。植物の細胞から作られた男の子が、彼の細胞から接ぎ木された女の子に恋をするお話(「星の恋人」)など、日常とファンタジーが入り交じり溶け合う、作り込まれた作風や画風から、作者を高野文子フォロワーと見なす声も。


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