マンガ業界の"最下層"コンビニコミックの泥沼化

コンビニコミック

廉価版コミックス、ペーパーバックタイプコミックスとも呼ばれ、過去のヒット作品を"再録"でまとめたものが中心。芸能人のスキャンダルや、ヤクザの組織構造などをオリジナルでまとめたものなども多く出版。
コンビニにはたくさんのコミックが並んでいるが、各発刊数は少なく、種類をつくらなければならないのだとか。

 90年代半ばをピークに長期低落傾向が続く出版業界で、主力商品として期待されてきた"激安商品"がある。「コンビニコミック」と呼ばれる廉価版コミックスだ。90年代後半から小学館が販売を開始し、今ではほとんどの出版社で取り扱っている。ペーパーバック形式の簡素な装丁で、販売チャネルはコンビニの店頭がほとんど。中心価格は300~500円だ。『ゴルゴ13』(リイド社)や『三丁目の夕日』(小学館)など、過去に単行本化された著名作品の再録版から、芸能ゴシップや怪談話などのユルいネタを無名作家に安く依頼して仕上げたものまで、そのラインナップは実に幅広い。

「もともと、『不況でも売れる安いマンガ本をつくってくれ』というコンビニからの要請で生まれた商品なんです。小売の立場が強くて、版元は儲けがなくても断れない。ほかの流通が抱える問題と、構図は一緒ですよ」(編集プロダクション社員)と言う通り、低コストでつくる出版社側の利益も低い。コンビニやスーパーの"強い要請"で、メーカーがプライベートブランドをつくらざるを得ない構図と同じというわけだ。

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2024.11.21 UP DATE

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