――2002年の全盛期には10万人の観衆を集め、大々的に行われた日本屈指の総合格闘イベントK-1。その創設者である石井和義(現在は教義に改名)氏は、周知の通り、脱税の罪により静岡刑務所に服役し、2008年8月に出所した。だが出所時のK-1は、多額の負債を抱え、視聴率も下落しているありさまで、現在もその流れは加速している。そんな状況と現在の格闘技興行を、創設者はどう見ているのだろうか?
石井和義氏(現・教義)。(写真/名和真紀子)
──今回は正道会館の宗師ではなく、敬意を込めて、あえて"館長"と呼ばせていただきます(笑)。いろいろとお伺いしたいことがありますが、まずは現在の、石井館長とK-1、そしてK-1を運営するFEG(Fighting&Entertainme nt Group)との関係からお聞かせください。
石井 立場的には株主ですね。かつては株式会社ライツコム(旧ケイ・ワン)がK-1のイベントを運営しており、僕がケイ・ワンの筆頭株主兼社長でした。ごぞんじの通り(苦笑)、2001年に起こったケイ・ワンの脱税事件【註1】の影響で、テレビ局やスポンサーとは、それまでのようなお付き合いができなくなってしまった。そこで03年にFEGという興行運営会社が生まれ、K-1の業務運営を委託し、ライツコムが興行売り上げのロイヤルティを頂いています。そのFEGの社長が、僕が不在の間にK-1イベントプロデューサーとして奔走してくれた谷川貞治氏です。