第54回岸田國士戯曲賞を受賞した『わが星』の舞台より(写真/青木司)。演劇とラップをリンクさせた同作は、□□□の三浦康嗣が音楽を手がけ、昨年10月の上演時に話題となった。
今年の岸田戯曲賞を並みいるライバルをおさえて受賞し、今演劇界でもっとも注目を浴びる劇団「ままごと」主宰の柴幸男。しかし受賞の感想を聞けば「最終候補になっただけでうれしかったです。今は新作の『スイングバイ』で手一杯でレース中に前の試合のメダルをかけられた感じ。『わが星』(受賞作)は僕もノってたし、音楽を手がけた□□□の三浦(康嗣)さんもノってくれて、奇跡的にすごい総合点が出た。だから受賞はうれしいけど、僕ひとりの想像力は超えてました」と謙虚だ。もともと柴氏がファンだったという三浦氏とは劇団から送った招待状が縁となり、知人の紹介で出会ったとのこと。将来的に何か一緒にという飲み話が一気に実現し、全編が音楽で満たされた感動的なオリジナル・ラップ・ミュージカルへと結実した。