〈前回までのあらすじ〉
コメディと英語を学ぶため、単身ニューヨークへ修行に来た芸人・中牟田。日本では本人不在の中でスキャンダルが報じられもしていたが、バラエティ番組のオーディションに挑戦したり、日本人が大多数とはいえ、彼目当ての客でコメディクラブを埋めたりと、日本での問題は忘れるほど、好調な毎日を送っているのだった。
中牟田は、コメディショーに出演する傍ら、よく「オープンマイク」という場にも出ていった。コメディクラブやライブバーを会場に、コメディアンだけが出場するという、ネタの練習も兼ねた企画なのだが、彼はネタを毎週変えて出場していた。英語については、まずは自分で考えて、ネタを仕上げるときに、日本からの帰国子女や、日本に駐在していたアメリカ人に頼みながら、内容に即したしゃべり方にしていた。