任天堂
もともと花札やトランプなどを製作していた同社。"ファミリー"コンピュータのネーミングといい、"家族"戦略を頑固に貫いている。Wiiのお茶の間進出作戦も功を奏し、不動の地位を得ている。
昨年末に発売された『New スーパーマリオブラザーズWii』も絶好調。10年1月現在、約300万本を突破している。(絵/ENLIGHTENMENT)
ニンテンドーDS Liteが発売された2006年頃を境に、それまでゲームに縁遠かった一般家庭にもハードが普及し、急速にパイが広がったといわれているゲーム機業界。そんな業界の躍進に、任天堂がライトユーザー向けに行ったイメージ戦略が不可欠だったことはいうまでもない。その苦労も報われ、独り勝ち状態の同社。現在は、家族だんらんの場である"リビング"にハードを普及させるため、アットホームさを前面に出した広告展開や、コンテンツづくりに力を注いでいるという。
そんな任天堂の"Wii普及計画"を脅かす新製品が、今年の3月に発売される。競合メーカーであるソニー・コンピュータエンタテインメントが発表した、PS3専用地デジレコーダーキット「torne(トルネ)」だ。
リビングに置くなら、DVDすら見られないWiiなんかよりも、ブルーレイも見られて地デジも録画できるPS3を選ぶのでは? と考える人も多いだろう。実際、「torne」は250GBのHDDを搭載したPS3本体と併せても4万2800円(定価)で「地デジ対応HDDよりも安い!」と、早くから予約が殺到している。さすがにこれには"王者"任天堂も焦っているのではないか。反応と本音を確かめるべく匿名で、同社の営業担当社員を直撃した。