吉田豪氏。
芸能人のドラッグ事件に関する本や、大物著名人の死去に関する本など暗い話題が目立った今年。でも、なんだか刺激がない! そこで、タレント本のプロ・吉田豪氏に、いやな気分も吹っ飛ぶ今年のタレント本を楽しむ術を伝授していただいた──。
──今年の芸能界は忌野清志郎さん死去やのりピーの覚せい剤事件などで、関連本もたくさん出ましたね。
吉田 のりピー本は3冊全部買いましたけど、当然、事件後すぐに出せる本というのは、速報性がある分内容は薄い。最初の『碧いうさぎの涙』(晋遊社)は完全にネット情報のまとめ本で、2冊目の梨元勝さんの『酒井法子 隠された素顔』(イーストプレス)に関しては、梨元さんの携帯サイトの情報をまとめただけ、そして、3冊目の『酒井法子 孤独なうさぎ』(双葉社)はデビュー当時から(のりピーの)担当をしてきた記者さんが取材してあったものをまとめて作った本、という即興のものばかりでした。今までの本人のインタビューを集めて立体化させるだけでも違うはずなのに、そういう手間はかけられていないんですよ。