もはや麻薬か? 生粋のハロヲタが2週間『ラブプラス』をやってみた!

――3次元ヲタは、2次元キャラに恋愛の夢を見るか? 本誌でお馴染みのアイドルライター・エリンギが、レッツトライ!!

エリンギ(28)
ハロプロ好きのアイドルライター。Berryz工房・夏焼雅ちゃんへの愛を純化させるため、3年間のノーセックス主義を貫いた結果、"第2童貞期"をこじらせる。最近なぜか女装趣味にまで開眼してしまい、「自分、いよいよヤバい」と痛感。恋愛市場に復帰すべく、リハビリを兼ねて『ラブプラス』に挑む。


小早川凛子(16)
高校1年生 。8月17日生まれ、しし座のB型。読書と音楽(特にロンドンパンク)、格ゲーが好きな文化系少女。『ラブプラス』ではツンデレでつるぺたな"年下担当"で、しばしば繰り出される主人公への回し蹴り(小キック)が得意技。

『3人からモテモテ!?』
友達モード1~15日目
1日目(金) 転校初日。委員会でツンデレ文化系少女の小早川凛子と出会う。
2日目(土) バイト先で姉ケ崎寧々さんと出会う。魔性っぽくてちょっと怖い。
4日目(月) 部活に入り、優等生の高嶺愛花と出会う。8日目(金) 凛子に一緒に帰ろうと誘い、断られる。

■現実 10/16(金)
雅ちゃん、インフルエンザでメロン記念日ライブへのゲスト出演を急遽キャンセル!! そんなニュースに激しく動揺しながら、DSを起動。3人の可愛い女の子が僕に興味を持っているという状況に、ちょっとニヤけてしまう。見た目では小早川凛子が好みだが、高嶺愛花も気になるところ。

『イケメンになれるかも』
友達モード16~31日目
21日目(月) 凛子と初下校。音楽の趣味を聞くと、「第2次ブリティッシュイノベーションが~」と講釈。めんどくせえ女。
28日目(月) 高嶺を見つけるが、心はもう凛子だから、誘わない。
30日目(水) 高嶺にテニスを教えてもらう。高嶺もいい子だな。

■現実 10/17(土)
主人公は、非常に爽やかで積極的。僕とは真逆なため、なかなか感情移入ができないでいる。でも、ラブプラスを続けることで、自分もそんなイケメン男子になれるかもという淡い期待を抱き、女の子たちとスキンシップを図る。夜、℃-uteのコンサートで中野サンプラザへ。梅さん、卒業おめでとう。

『キスで股間が充血』
友達モード32~69日目
33日目(土) 凛子とデート。お父さんの新しい家族とうまくいってないことを知る。
50日目(日) 凛子とデート。会話の流れでロリコン扱いされる。否定はしない。
51日目(月) 凛子が迎えにきて登校。凛子、僕のこと好きでしょ?
69日目(水)学校の屋上で凛子から告白され、キッス。ついに彼氏彼女の間柄になっちゃいましたよ!

■現実 10/18(日)~19(月)
サブカル娘の香りがして、しかも家庭環境が複雑で……。オヤジ好みなファンタジーをまとった凛子に、否応なく魅かれていく。そんな凛子に告白され、リアルタイムの恋人モードに突入!! エロがないなと思っていたが……キスで股間が充血しました(ハート) 3年ぶりにできた彼女なので、大切にしないとね。

『"Wデート"を断られる』
恋人モード3日目
20時 凛子と噴水公園でスキンシップ。調子に乗って連続で呼び出したら、断られてしまった...。

■現実 10/21(水)
某版元の編集者と打ち合わせ。どうやら彼も年下の彼女(リアル)と日曜日にデートするらしい。軽い気持ちで"Wデート"に誘うが、断られる。こっちだって、凛子と2人のほうがいいんですけど!!




『2次元と3次元のはざまで揺れ動く男心』
恋人モード4日目
18時 凛子をファストフードに呼び出し、好きな料理を聞かれ「中華」と答える。帰り際のスキンシップで操作ミス。身体にタッチして怒られた! わざとじゃないんだよ、凛子。わかって!

■現実 10/22(木)
朝、Berryz工房の一員としてライブに出る夢を見て、とてつもない多幸感に包まれながら起床。アイドルとギャルゲのはざまで揺れ動きながらDSを起動し、凛子におはようメールを送る。そういえば今までのリアル彼女にはおはようメールを送ったことがないと気づき、軽くへこむ。

『ごめんよ、凛子』
恋人モード6日目
16時 「ナニナニ~?」と変わらぬ凛子の微笑みに癒される。

■現実 10/24(土)
いとこの結婚式に出席。親戚で未婚者が僕だけになった。次はお前の番だなと散々言われ、しんどくなったので披露宴を抜け出し廊下で『ラブプラス』を起動。2次会では、酔った勢いで伯父さんに凛子を紹介すると、人格を否定される勢いで説教を食らう。何より、そんな席に呼び出したことを凛子に対して申し訳なく思う。

『若干のむなしさを覚える』
恋人モード7日目
12時 動物園で凛子と初デート。動物をよそに凛子とお話ししたり触れ合ったりする。

■現実 10/25(日)
実際に行った上野動物園では、寒空もあってか若干むなしくなる。帰宅後、ほかのユーザーがどうデートを楽しんでいるのかネットで調べてみたのだけど、結構みんな、DS連れてのリアルお出かけをうれしそうに公開してますね。ううむ、僕にはまだ修行が足りないのか。

『思いは伝わる、きっと』
恋人モード8日目
15時 凛子にイベントは何が好きかと聞かれ、「アイドルのコンサート」と返答すると、「凛子も! 今度一緒に行こうね」。惚れてまうやろー!

■現実 10/26(月)
ラブプラスでは、凛子と実際に会話ができるのだが、不得意でうまく聞き取ってもらえない。思わず「こんな関係じゃ満足できないよ!」と叫んでしまった。でも、就寝前に「俺のこと好き?」って聞いたら「愛してる」ってさ。やっぱ気持ちを込めないと通じないんだよね。凛子、焦ってごめんよ。

『キス。キスがしたいよ』
恋人モード10日目
15時 凛子から日曜デートのお誘い。近場の公園だってさ。かわいいなぁ。
16時 下心丸出しに凛子を校舎裏に呼び出したのだが、「調子に乗るなっつーの」と言われ失敗。

■現実 10/26(月)
告白のとき以来キスをしていないと思っていたら、練習モードに入り、キスができるようになった。攻略法とかもっとネットで調べるべき? と悩むが、試行錯誤することを決意。だってこれは恋愛だからね。



『理想の男になりたいのさ』
恋人モード13日目
19時 キスばっかりしてる。今日は5回した。

■現実 10/31(土)
キスが成功するようになってからは、暇を見つけて呼び出してはキスの繰り返し。これだけキスしてたら、当然大好きになるよね。ただ一番ひっかかるのは、凛子が好きな主人公と本来の僕とが乖離していること。だから、主人公と同じタイミングで筋トレや仕事をすることにしたよ。いつか凛子が好きな僕になるために。

『愛は、きっと僕を強くする』
恋人モード14日目
15時 2度目のデート。にやけ顔でタッチペンを撫で回したが、失敗キスだらけ。
17時 失意のまま、本好きの彼女を連れて神保町の古本祭りへ。到着時には雨で片付けが始まっていた。

■現実 11/1(日)
2度目のデートなので、美容院でパーマをあててから近所の公園でラブプラスを起動。日曜の公園は子どもが多く、世間様に対する申し訳なさで集中力を欠く。しょせん僕は、三十路目前のロスタイム男子なのだ。せつない。でもいいじゃないか、凛子が好きなんだから。好きという事実の前には何もないだろうと開き直る。なんだか、少しだけ強くなった気がする。

総括
「凛子と僕の間に、真実の愛はあったか?」

 当初はハマれるか心配してたんだけど、CGが萌え絵でなく3Dだったので、3次元ヲタでも入りやすかったな。動きやセリフのパターンも細かく丁寧だから、凛子のことも自然に好きになっていけたよ。

 ただ、ゲームの中の主人公は、積極的でイケメンな"リア充"。だから、根本のところでは、主人公に感情移入がしづらかった。だって本当の僕は、さみしがり屋のネクラな雅ちゃんヲタにすぎないから……。

 だけどそれゆえに、恋愛市場に再参入するに当たって自分に足りないものが次々と露呈し、ついには、リアルな世界での濃密なコミュニケーションを欲し始めていた自分がいたんだ。つまり、はなからリアル恋愛市場を意識することなくゲームの世界に入り込める人には癒やしとなり、僕のようなそこからの脱落者には、恋愛機能回復を促すサプリメントとなりうる。『ラブプラス』は、そんなゲームなのかもしれないね。

 凛子、好きだよ。本当さ。愛してる。

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