──エンタメ業界の中でも、あくまでもマイナーで揶揄されるべき存在であったオタク分野において、むしろそのことを武器に成功したのが、中川翔子であろう。
しかし、彼女の成功によって、オタクはある程度一般化し、もはや揶揄すべきマイノリティではなくなる。その結果、逆説的に、「アイドルなのにオタク」という中川翔子的武器は使えなくなる。なぜならば、オタクの一般化は、当然の帰結として、オタク女性の一般化をももたらしたからである。「しょこたんブログ」より
というわけで、オタク女性がちっとも珍しくなくなった昨今、オタク業界で最も注目を集めているのは、選ばれる存在であるアイドル的オタク美女ではなく、自ら選択し、道を切り開いている独立独歩型の美女たちだ。彼女たちは、アイドルとしての自分の商品価値を高める行為としてオタクをアピールしているのではない。ただ、おのれの燃えたぎる、いや、萌えたぎるオタク欲求を具現化するため、オタク業界という荒野で日々奮闘しているのである!!
まだまだしょこたんほど有名ではないけれど、今後のオタク業界を変える可能性を秘めている彼女たち。その中でも要注目の4人をピックアップし、彼女たちと縁の深いアキバを中心としたロケーションで撮影を敢行!! 彼女たちはなぜオタクになり、どうやって自己実現しようとしており、そしてどのくらい美しいのか? オタク系要注目最新美女を、とくとご覧あれ!!
オタク系要注目美女1
夢は、アキバ系芸能界の黒幕(ハート)
喪服ちゃん(アキバ系ライブハウス・秋葉原ディアステージ社長)
(写真/三浦太輔 go relax E more)↑画像をクリックすると拡大します
アイドルのイベント中にアイドルファンが繰り広げる、奇々怪々でキモいダンス"ヲタ芸"。いま、そんなヲタ芸の聖地と呼ばれているのが、専属アイドルたちが夜ごとヲタ芸奨励のライブを繰り広げる秋葉原のライブ&バースペース「秋葉原ディアステージ」、通称"ディアステ"だ。その運営者が、写真の一番左でランドセルを背負って微笑む、株式会社モエ・ジャパン代表取締役社長・喪服ちゃん。そして、彼女が従えているのが、彼女がプロデュースするディアステ在籍の47人のアイドルたちの中の4人、というわけである(左から、西村めめ、うさぎのなみ平、上花楓裏、えいたそ)。
「もともと、女の子アーティストを育てるプロダクションみたいな組織を作ろうと思ってたんですね。でも、先に『ヲタ芸をガンガンに打てるお店』というコンセプトでディアステをやることになって。だったら、そこで女の子を育てればいいと思ったんです」
実際、ディアステ所属の2人組ユニット「ピヨラビ」のデビュー曲「光のキャンベル」は、オリコンインディーズランキングでウィークリー1位を記録。そのほかにも着実にアーティストが育ちつつあるのだ。でも、47人もの女の子をプロデュースするのって、かなり大変じゃないですか?
「超大変です!『前髪あったほうが絶対オタク受けするよ!』とか細かいところまで1人ひとりに合わせた指導をしてますから。でも、自己発信型の女の子をコレクションしていくのって、楽しいんですよね。例えば、AKB48みたいに、全員に同じ曲、同じ振り付けをさせて競わせるって、ある意味楽なやり方だと思うんですよ。でも、そんな枠には収まりきれないのが、ディアステの子たちなんです」
今年8月には、アニメ、ゲーム、アイドルなどのアキバ系音楽を発信するDJバー「MOGRA」の営業もすぐ近くで開始。アキバ系音楽界を束ねる黒幕になりたいと、その夢は大きい。
「ジャニー喜多川さんや秋元康さん、つんく♂さんが大好きなんです。憧れますね!」
数年後、喪服ちゃんという黒服の黒幕が、芸能界の裏側に君臨しているかも!?
(文/岡島紳士、遠藤麻衣)
もふく・ちゃん
東京都生まれ。3歳からピアノを始め、東京芸術大学音楽学部音楽環境創造科を卒業。07年12月、仲間と共にアキバ系ライブハウス「DearStage」を開店、08年3月に社長に就任。さらに今年8月には、アキバ系DJバー「MOGRA」もオープンさせた。公式ブログ「アキバで働くスク水社長のアメブロ」
秋葉原ディアステージ
東京・秋葉原にある、アキバ系ライブハウス兼カフェバー。現在47人の女性が勤務しており、彼女たちがアイドルとして毎日18時半、20時、21時20分の3回ステージパフォーマンスを繰り広げつつ、店員としても勤務している。住所/東京都千代田区外神田3-10-9 DEMPAビル TEL/03-5207-9181 公式HP