――ワシントン条約その他で日本への持ち込みが原則禁止されている動物の中でも人気の高いものを、勝手にピックアップ!!
【No.1】末端価格30~40万円程度/1匹
リスではなく実はサル!
スローロリス
ぎょろっとした大きな目が特徴的な、インドネシアやタイに生息する小型のサル。07年のワシントン条約締約国会議で、附属書IIからIに昇格したばかり。「以前、日本の税関職員が、スローロリスを"リス"と勘違いしてパスさせちゃったことがあります」(白輪氏)というほど珍しいサルだったが、ここ数年で密輸が急増。日本では08年、スローロリスをタイから密輸し、販売した親子が逮捕されている。
【No.2】末端価格70万円程度/1匹
志村どうぶつ園で人気に火が!!
コツメカワウソ
ワシントン条約附属書IIに記載されている、インドネシアや中国南部の湿地帯に生息するカワウソ。青木さやかが『天才!志村どうぶつ園』(日本テレビ)でコツメカワウソの赤ちゃんを飼育する模様が放送され、その愛らしさから人気に火がついた。以来、密輸件数が増えている。人気に便乗して飼育を始めた海遊館(大阪府)にいるコツメカワウソの大半が、密輸摘発で保護された個体という話も。
【No.3】末端価格2.5~3万円程度/1匹
大量密輸で問題に
ホシガメ
ワシントン条約附属書IIに記載されている、インドやスリランカなどに生息するリクガメ。リクガメの中でも甲羅が美しく、15~25cm程度の小型ということで、日本での人気が高い。動物園で飼育されている個体は、密輸摘発で保護されたものがほとんど。一度に密輸される数が多く、密輸件数も多いため、全国の動物園でホシガメの数が増えてしまい、問題になっているという。
【No.4】末端価格5~6万円/ペア
カブト人気の立役者
ヘラクレスオオカブト
中央アメリカから南アメリカの熱帯に生息する、日本でも人気が高いカブトムシ。日本国内で養殖されているものも含め、植物防疫法で輸出入が規制されているが、輸出禁止のはずのコロンビアなどから密輸されることが多い。「コロンビアも輸出を禁止しているのに、以前現地の新聞に、『ヘラクレスオオカブト買い取ります』という広告を出した日本人が捕まったことがあります」(白輪氏)。
【No.5】末端価格1~3万円
植物ではなく動物です
サンゴ
サンゴはワシントン条約附属書IIに記載されている種類もあるが、そもそも日本では、漁業調整規則で天然サンゴの捕獲が原則禁止されている。にもかかわらず、対馬や沖縄周辺ではサンゴの密漁が跋扈しており、「海外から輸入した養殖サンゴ」と偽って、オークション等で販売されているケースが多いという。「いま香港でサンゴが人気なもので、"海草"という名目で日本から密輸出されてますよ」(白輪氏)
【No.6】末端価格100~500円
たくさんいるけど天然記念物
オカヤドリ
熱帯域に生息するヤドカリ。日本では70年に天然記念物に指定されており、捕獲が禁止されている。ただし、特例で、沖縄県の数人の業者には「昔から獲っているから……」という理由で年間3トンまでの捕獲が許可されている。しかし、国内で販売されているオカヤドカリの量は年間3トンをはるかに超えており、取引に許可証等も必要ないため、大半は密漁・密売されているものだという。