――ゲームやアニメで女装少年キャラが定着した結果、近年では現実の世界でも、可愛い男の子の女装=「男の娘」が急増しているという。そこで、関係者イチオシの男の娘をご紹介。足を踏み入れたら抜け出せないという深遠なこの世界、男なら一度は挑戦してみては?
「オトコノコ倶楽部VOL2」は10月8日発売予定。『オンナノコになりたい!』は完全な実用ハウツー!
「美少女」を取り上げる本特集において、本誌的に今外せないキーワード「男の娘(おとこのこ)」──女装した男性を指す言葉で、元はアニメやゲームなどに登場する"女の子に見えるけど、実は男の子"という設定のキャラクターに対して使われていたのが、最近現実で女装をする男性の通称としても流布し始めている。なかには美少女アイドル級の可愛さを誇るコも存在し、今年5月には女装専門誌「オトコノコ倶楽部」(三和出版)が創刊されるなど、一種のムーブメントになりつつあるのだ。同誌の編集者・井戸隆明さんは、出版に至った動機をこう語る。
「当初はニューハーフの専門誌を作ろうと思っていて、その関連イベントに足を運ぶ中で『若い女装の子が増えている』という印象を受けました。90年代にネットで公開されていた女装の写真なんて、中年男性のものや、顔を隠したものしかなかったのに、今は女装・ニューハーフ用SNSなどで、若い子たちがごく普通に女装写真を公開しているんです。それで『女装メインで行けるかも』と思うようになりました」
女装人口の低年齢化を招いたのは、『オンナノコになりたい!』(一迅社)などの女装指南本が07年に出版されたこと、秋葉原に女装メイド喫茶「雲雀亭」やオトコの娘ダイニングバー「NEWTYPE」がオープンしたこと、そして「何よりコスプレの影響が大きい」と井戸さんは指摘する。
「若い女装の子は大半がオタク。性的対象は女性である一方、女性のファッションなどにも憧れがある。最近は一般向けのゲームにも登場するほど男の娘キャラはメジャー化しており、同様に女装のコスプレも一般化してきました。『性別に関係なく、なりたいキャラのコスプレをする』という感覚の人が多いのでしょう」
複雑さを飛び越えて踏み出せば新しい世界が
ところで、「オトコノコ倶楽部」の創刊号の表紙には、「女装子(じょそこ)から『男の娘』へ」といったキャッチコピーが記されているが、この2つの名称の違いはどこにあるのだろうか?
「女装用語には共通認識になるものがないので、定義は個々によって違ったりしますが、『女装子』は髭面のままドレスを着ちゃうような、汚い女装をしているおじさんたちに使われていた名称でもあるんです。それで嫌がる人も多く、代わりに可愛らしいニュアンスの『男の娘』を使う風潮が出てきた。でもこれは二次元のキャラクターを連想させがちで、見る側でもする側でも、否定的な人も結構います」(井戸さん)
ひとくちに女装といっても、入り口や求めるものはそれぞれ異なり、さらにセクシャリティの違いもあるので、何かある度に反発は絶対起こるのだという。なんだか敷居が高く感じられてしまうが、こちらに登場してくれた男の娘・にしだ奈波さん曰く、 「予想以上の評価が周りから得られると『じゃあ次は、もうちょっと本格的に女装してみようかな』と、だんだん癖になっていくもの」らしい。
ちょっと怖い気もするけど、せっかくなので次頁の男の娘たちを参考に、あなたもレッツ女装……してみては?