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いしいひさいちの昔の4コマで、新しくできた24時間営業のコンビニに入ったらレジに誰もいなくて、「すみませーん」と声をかけたら、カウンターの下から死にそうな顔したオッサンがゴソゴソ這い出してきて、「開店から48時間寝てないんです……」とかいうネタがあった。結局その店は72時間ぐらいでつぶれてしまうのだが、1人で24時間営業は、そりゃ無理があるわな。
それと同じような間違いを犯しているのが【記事A】の男2人。覚醒剤、大麻、合成麻薬、コカインなどの密売容疑で捕まったのだが、なんと年中無休、24時間営業で販売していたという。しかも、お値段は相場の半額。これは便利ってんで、顧客からは「薬物のコンビニ」と呼ばれていたとか。
そんな努力のかいあって商売繁盛だったようだが、何しろスタッフは2人だけ。雇われていたほうの男は、「覚せい剤を使って睡眠時間を削って働き、『くたくただった』と供述している」というんだから、医者の不養生というかミイラ取りがミイラというか。でも、それで日給1万円は安くないか? もし使った分の薬代を天引きされてたりしたら、さらに悲惨。この男、名前を「都合(とごう)」というんだけど、まさに都合よく使われちゃった感じである。
それに比べれば、【記事B】のケースは、ある意味、微笑ましい。70歳と41歳の空き巣コンビが逮捕されたのだが、実はこの2人、カプセルホテルで知り合い「師弟」関係になり、「先生役」の70歳の男が侵入しやすい家を教えていたという。調べに対し、70歳の男いわく「年齢的にいつまで空き巣を続けられるか不安で、すべてを伝授しようと思っていた」って、まるで伝統工芸とか町工場の職人みたいなセリフ。この後継者難の時代に、そんな師弟関係が成り立つとは、ちょっといい話ではないか。
にしても、両事件の容疑者とも、その熱意と努力をまっとうな仕事に向けていれば、きっと成功してたと思うんだけどねぇ。
(新保信長)