ところ変われば美少女も変わる 世界各地の「かわいい」を探る!

──日本で美少女といえば、芸能界で活躍するティーンエイジャーのアイドルや、アニメ・マンガなどに登場する、いわゆる美少女キャラクターのイメージ。だが、美の基準が人種、文化によって異なる以上、「美少女」のイメージもそれぞれ異なるはず。では、世界各地で人気の美少女とは、どんな顔なのか?

ミス・ユニバース'09日本代表の宮坂絵美里(左)と、第12代国民的美少女の工藤綾乃(右)。並べると、顔のパーツの特徴の違いが歴然。

 "美少女"とは一体何か。
 
 単純に解釈すれば、読んで字のごとく「美しい少女」のこと。では、少女とは具体的に何歳ごろの女性を指すのか、辞書を引くと……「しょうじょ【少女】年少の女子。ふつう7歳前後から18歳前後までの、成年に達しない女子をさす」(大辞泉)だそう。つまり"美少女"とは、ティーンエイジャー前後の容貌に優れた女性のこと、とひとまずはいえそうだ。

 しかし、美少女の定義や条件は、時代や場所によって異なってくる。例えば日本の芸能界で美少女といえば、かつてでいえば松田聖子、近年ならば上戸彩や新垣結衣、夏帆などが、透明感あふれるアイドルとして人気を博してきた。美少女アイドルの登竜門はさまざまあるが、例えばその中のひとつ、オスカープロモーション主催の「全日本国民的美少女コンテスト」。これまで数々の大物を輩出してきたこのコンテストだが、先月第12回大会が行われたのは記憶に新しい。そこでグランプリに選ばれたのは、宮崎県出身の13歳、工藤綾乃ちゃん。小さな顔、くっきり二重の大きな瞳、艶やかな黒髪、すらりとした体躯……あどけなさを残しつつも大人びた憂いを見せる、まさに古典的な「ザ・清純派」が日本一の美少女の座に輝いた。

 一方、同コンテストと時を同じくして話題になった「ミス・ユニバース09」の世界大会でグランプリに選ばれたのは、ベネズエラ代表のステファニア・フェルナンデス(18)。豊満な肉体に、セクシーなメイク……前述の定義に従えば、彼女はまだ"美少女"と呼ばれてもおかしくない年齢。しかし、その容貌は日本の同年代とは異なり、美少女の域をすでに脱して、大人の女としての美しさを備えているようだ。

 どうやら同じ10代の少女の美しさといっても、日本と世界では評価ポイントにかなり差がある模様。なぜこれほどまでに違いが生まれるのだろうか?

日本人のロリコン傾向は生物学的に正しい!?

「日本の美少女として典型的なのは、今話題の酒井法子や後藤久美子の若い頃ですよね。ポイントは、ただ単にかわいいだけでなく、顔立ちが整っており、"きれい"の要素も含むことです」と話すのは、進化論などの観点から美女の造詣に詳しい早稲田大学意志決定研究所の理学博士・蔵琢也氏だ。さっそく蔵氏に、日本で"美少女"と呼ばれる顔の条件をパーツ別に教えてもらうと、

……横、縦ともに大きめが良い。ただし、極端に大きいと崩れた印象を与える。(例:浜崎あゆみ)
……鼻筋が通っているが、面積は小さいほうが良い。
……小さいほうが好ましい。逆に、唇が分厚いとセクシーな印象になる。
輪郭……小顔で、丸みを帯びた輪郭が好ましく、あごはとがっているほうが美しい。
……白いほうが良い。黄色人種は男性ホルモンが多いと肌が黒くなるとされ、白い肌は女らしい柔らかな印象を与えるため。

とのこと。色白で目が丸く大きく、鼻や口は小さめ……って、これはやっぱり、思いっきりロリータ顔ではないか。

「ギリシア時代から、美の基準は均整の取れた顔立ちにありました。しかしそれより日本では、子どものようなロリっぽさが好まれます。これは、日本人が属する新モンゴロイドが、寒冷地に適応するために、大人になっても子どものような顔や体形のままであることに関係するといわれています」

 凹凸の少ない体形は寒さに適し、生存確率がより高いとされている。つまり日本人が少女を好むのは、本能的にも当然ということか。これに対し、アメリカでは"美少女"より"美女"が好まれる、と蔵氏は続ける。

「アメリカではロリコンは嫌悪され、法的規制も厳しい。男性は、成熟した肉体を持つ大人の女性を好みます」

 そして、この差がはっきりと表れているのが、リカちゃん人形とバービー人形の違いなのだとか。確かに、1967年にタカラから発売された着せ替え人形のリカちゃんは、頭身が低く目も大きく、日本人好みの少女体形に近め。これに対し、アメリカ生まれのバービーは8頭身で目は切れ長、スーパーモデルのよう。この2つを比較しても、日米それぞれで求められる"美"の要素が違うことが理解できる。

 また、『セーラームーン』などのアニメのヒロインのように、目が大きく口が小さく、子どものような顔つきを持つ日本の美少女キャラクターは、欧米ではオタク層を除けばそこまで人気がなく、どちらかといえばアジアでのほうが人気が高いとされている。アメリカ社会においては、いくらかわいくても少女は少女、"お子さま"という認識なのだ。

一極化する"美"の条件ご当地美少女は消える!?

 このように、日米だけで比較しても"美少女"の定義や条件は大きく異なる。だが、上のイラストで示す通りまだまだ地域ごとに差異はあるものの、求められる"美"の傾向が世界中で似てきているのは否めない事実。理由としては、人種の交配、ネットやテレビでの情報共有が進んだ結果、人々の求める美が一極化してきたことなどが挙げられる。しかし、歴史的に見れば、平安時代の日本では食糧事情から太った女性が良いとされていたり、女性抑圧的な儒教が流行した古近代中国では纏足が美の条件であったりと、美の基準は地域や文化によりさまざまだったはず。いま日本では児童ポルノ法の規制強化が進みつつあり、「ロリコン」を連想させるような、幼さを残す美少女を愛でる文化への風当たりは強まるだろうが、美少女の条件付けだって、れっきとしたその国独自のカルチャーだ。個性あふれる美少女たちが世界各地に存在しているほうが、世界が文化的に豊かであることは確かだろう。

どこのコが一番お好み? 世界6地域の美少女たち

 北米からアジア、中近東からアフリカまで、世界の6地域でいま人気の美少女ってどんな女の子? 現地人&現地在住日本人にリサーチして、解析してみた。

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北米▶美少女よりも、セックスシンボルとしての美女を好む傾向が強い。ディズニー映画に出てくる白雪姫や眠り姫を見ても、彼女たちは10代半ばの少女であるにもかかわらず、胸もお尻も大きく、顔も落ち着いており、全体的に大人の容貌を備える。また、日本では「美少女=おしとやか」というイメージが強いが、アメリカではおとなしい子=暗い、と思われて印象はよくない。顔立ちとしては、唇が厚ぼったく目がやや離れ気味な造りが人気。10代の頃のブリトニー・スピアーズなどが典型的だ。

東南〜南アジア▶東南アジアでは、日本と同タイプの美少女を好む傾向が。タイやラオスなどの人種は、女性はもともと肩幅が狭くて身長も低く、胸が小さく手足も短め。逆に、背が高くてグラマーだと「実はオカマ」ということが多いそう。ロリコン趣味というよりも、本物の女性かどうか判断するために少女体形が重宝されるのかも!? インドなど南アジアでは、色の白さを重視。カースト制が厳しく、労働階級ほど色が黒いことから、色白で欧米人に似た容姿を備えていることがステータスだという。

アフリカ▶植民地として長くヨーロッパの支配下にあったアフリカでは、その歴史的背景より民族間で美の基準はバラバラだが、都市部では欧米に近い。特に、近年では欧米の映画やドラマが普及し、その傾向は顕著。そのため肌はキメ細かく明るい薄茶色で、鼻筋の通ったぱっちり二重の顔が好まれることが多い。チリチリの髪質の人が多いため、ストレートパーマをかけるか、染めて編み込みにするのが女の子には人気だそう。また、お尻も美しさの条件。肉感たっぷりの大きなヒップが重要だ。

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東アジア▶日本・中国などの東アジアの中で、断然見目麗しい女性が多い韓国。背が高くスタイル抜群で、二重ぱっちりの目にすっと通った鼻筋、ぽってりした唇、真っ白な肌、卵形の小顔が人気。芸能界にも一般社会にも、スラリとした美人体形に、清楚な顔立ちで、透明感あふれるナチュラルビューティが多い。ただし、整形に抵抗がないお国柄のため、10代の少女でも二重にしたり鼻を高くしたりと、プチ整形は日常茶飯事。生まれついての美女・美少女を探すのはなかなか難しいかも!?

南米▶情熱と音楽の大陸・ラテンアメリカでは、セクシーな女性が人気。実際、現地の少女たちは発育も良く、ティーンエイジャーといえどボンキュッボン!(死語?)な子がたくさん。胸とお尻は大きくて当たり前で、サンバに合わせてリズミカルに揺れるようなたっぷりとした肉感がモテる条件なのだとか。顔立ちも、ほどよく焼けた褐色の肌に、通った鼻筋、ヨーロッパ女性のような明るい青やグリーンの瞳を持つ子が人気で、とにかくすべてにおいてエキゾチックでゴージャス。

中近東▶イスラム教徒が大多数を占める中近東では、日本と同じく、目が大きく幼い顔立ちの美少女が好まれる傾向が強いという。これは、イスラム圏では、女性は若くして結婚するため(16~17歳頃に結婚することも多いそうだ)、結婚の条件として貞淑な処女を求められるからだそう。「一夫多妻制など、女性の"囲い込み"を想定した文化圏の場合、処女性が重視される傾向があります」(蔵氏)。ちなみに、日本人女性は幼く見えるためか、中近東に行くとモテるそうです!

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