──男なら誰でも心の中に存在しているであろう"マイベスト美少女"。そこで、小説、マンガ、映像、格闘技など各界の"美少女通"たちにご登場いただき美少女を指名! その胸に秘めた美少女への想いを、心ゆくまでぶちまけてもらった。
ツンデレなカノンこそ純粋な美少女だ
[杉作J太郎的My Best Beautiful Girl]
カノン・メンフィス
アニメ『蒼穹のファフナー』の登場人物。14歳。幼少時、家族や友達を奪われたところを救われる。以降、自分を完全否定する性格になり、「死に場所」を求めて転戦する。
真のベスト美少女を挙げるのは難しい。どんな美少女もいつかは少女じゃなくなるし、女性の過去に執着する野暮天にはなりたくないですから。今の加護(亜依)さんにミニモニ。時代の話をしても、まず歓迎されるはずがない(笑)。その点、アニメやマンガなら語りやすい。今はアニメ『蒼穹のファフナー』のカノン・メンフィスがカワイイですねぇ。
そもそも美少女というのは、純粋なツンデレだと思うんです。人生経験がなく、物事をよく知らないから、妙に気が強くて他人の意見を聞かない。でも、恋愛経験もないから、男性の前ではモジモジしてしまう。カノンというコは、この美少女像を体現しています。ダブリン出身で主人公の敵対勢力に拾われた戦災孤児。外国の軍育ちだから、普段はボソッとしか話さないハードボイルドなキャラクターなんだけど、主人公側に投降して、彼らと生活を始めると、日本の風習に戸惑いを見せる。
そして、主人公に話しかけられると顔を赤らめてしまう。これから人生経験を積んで、素敵な男性が現れて股を割ることになったら、彼女はどんな女性になるんでしょうか?でも、その様子を僕は外野席から眺めるしかない。
このジリジリ感はスリルがありますよ。
あと、一番の魅力は捨て鉢感。身寄りがない上に、軍育ちだからか、生に執着がない。こんなに若くてキレイで、オッパイも膨らんできていて、生きていれば楽しいことが待っているはずのコですらそうなんだから、そりゃあ僕みたいな人間なんか捨て鉢で当然だろうって納得させられました(笑)。
杉作J太郎(マンガ家・映画監督)
すぎさく・じぇいたろう。1961年、愛媛県生まれ。1982年にマンガ家としてデビューして以降、多方面で活躍中。男の墓場プロダクション代表。著書に、八方ふさがりな時代を突き破る超絶恋愛マニュアル『恋と股間』(理論社)など多数。