出版不況といわれて久しいが、ことネタに限っては、今年上半期の芸能マスコミは久しぶりに活況だったといえるだろう。大きな事件が頻発したこともあるが、この背景には「フラッシュ」、「週刊新潮」(新潮社)、「フライデー」「週刊現代」と今年に入って相次いだ編集長交代の影響も無視できない。
中でも元気なのが写真誌で、真っ白な表紙でリニューアルした「フライデー」は本文中でも紹介した通り熱愛スクープを連発。「フラッシュ」も「夏目三久コンドーム写真」が話題になったばかりだ。
また、比較的芸能タブーが少ないとされる二誌も健在。「週刊新潮」は事件や政界を絡めた独自の切り口で芸能を積極的に扱い始めており、「週刊文春」も『長嶋一家骨肉の争い』のような骨太のスポーツ記事でクオリティの高さを示した。
「両誌とも取材の信頼性は高いし、スマッシュ・ヒットのネタも盛り込んでいる。ただ、他誌が目立ったせいか、以前のようなホームラン級スクープは減った印象だね。同じテイストでは、中田カウスの告白や東山紀之の連載を始めた『週刊朝日』のほうが、何かと話題になっていた」(週刊誌記者)
逆に総合週刊誌では、イケイケのスキャンダル路線を突っ走ってきた「週刊現代」が一気にトーンダウンしている。
「確かに『清原モナコ不倫』なんてスクープはあったけど、基本的に芸能スキャンダルは会議でも通りづらくなっています。訴訟地獄による影響ですね」(編集部関係者)
一方、女性誌も熱愛系スクープで存在感を見せているが、面白かったのが草彅事件に対する各誌のスタンス。「女性セブン」「女性自身」が擁護、「週刊女性」がバッシングという、従来通りのジャニーズ事務所に対する距離感がハッキリ見て取れた。
不振にあえぐ週刊誌業界だが、76ページの「週刊誌スキャンダル大賞」とともに、その存在意義をあらためて認識してもらいたい。