ビジュアルデザインもみずから手がける"ど・ビジュアル系"「ドレミ團」

──変わったバンド名ですが、バンド名の由来を教えてください。

マコト ビートルズが好きで、「Do n't Let Me Down」って曲の出だしが、「ド、レ、ミ、ダン」なんですよ。

──空耳アワーみたいなものじゃないですか!

マコト そうですそうです。バンド名はカタカナと漢字なんだけど、英語表記は「Don't Let Me Down」(笑)。

──そんな皆さんは、どんな音楽を聴いてきたんですか?

零華 どっぷりX JAPANです。

 兄がいて、ギターをやってたんですよ。その兄の友達にXの曲をスパルタで弾かされて、音楽に興味が湧いて、D'ERLANGER(デランジェ)を聴いてから自主的にやろうと思いました。

KEN すでに解散してたんですけど、周りがBOØWYのコピーバンドばっかりだったんですよ。それで自分もやり始めて、音楽が面白くなった頃にBUCK-TICKを聴くようになりました。

シンジ 80年代のメタルが好きで、アイオンを聴いてました。

マコト 高校の時、ラルクを観て衝撃を受けました。

──sakuraさん(初代ドラム)がいた頃のラルクですか?

マコト そうです。最初からファンクラブにも入ってました。

──ビートルズはちっとも出てこないじゃないですか!(笑)

一同 爆笑

マコト 最初に触れた音楽はビートルズなんですけど、すぐV系のほうに行っちゃったんです。ラルク観た時、すごい色気を感じたんですよ。だから、最初のコピーバンドから化粧してましたね。

──バンド=化粧ってことだったんですね。

マコト メイクをするのは、服を着るのと一緒なんです。

──いまの事務所に入る前は、大阪で活動されてたんですよね。大阪では、アルバイトをしながら?

 ガンガンやってました。マコト以外はみんな同じ勤務先で(笑)。

KEN その時はマコトくんと零華くんはすでにドレミ團やってて、僕らはバイトつながりだったんです。

零華 マコトくんは、バンドの運営もやりながらデザイン会社にいて、CDジャケットとか作ってて。だから今でもドレミ團のアートワーク関係は、基本的に彼がやってるんです。

──赤坂ブリッツでのワンマンが決まってますけど、やっぱり東京進出以降、動員は増えてるんですか?

零華 爆発的には増えてないですね。なんかのきっかけで増えてくれればいいんだけど。

──これまで、変わったファンっていましたか?

マコト 大阪にいた時はありましたね。自宅を調べられて、ピンポーンって来て、覗き窓から見たら、ぱっと手でふたをされました(笑)。

一同 怖え~。

──めちゃめちゃ恐怖体験してるじゃないですか。てことは、やっぱり女性にはモテますよね?

マコト ファンからはモテるのかもしれないけど、一般人として世の中に放り出された時、後ろだけ髪が長くて半分金髪の男って、はたしてどうですか?(笑)

──盤麺じゃないと理解できない髪形ですね(笑)。

マコト モテるために音楽をやってた時期はモテたけど、仕事として音楽をやるようになってからはモテなくなりましたね。

──ファンからモテるからいいじゃないですか!もしかして、ぶっちゃけバンギャって苦手ですか?

零華 いやいや(笑)。でも、熱心なファンの方には、圧倒されることもたまにありますね。

──好きなバンドのツアーに一緒についていく生活を前提としてるから、仕事もあえてバイトしかやらないって子も多いですよね。

マコト 僕たちは、そういうファンの方々に支えていただいてるんです。ありがたいことです。

──いないと成り立たないけど、苦手でしょ?

マコト そんなことないですって!!

どれみだん
(手前)Vo.マコト(後列左より)Ba.シンジ/Gt.KEN/Dr.零華/Gt.龍
02年、大阪で結成。08年、現在の所属事務所と契約したのをきっかけに、拠点を東京へ移す。みずからを「ど・ビジュアル系」と胸を張って語る潔さを持ち、Vo兼リーダーのマコトは、元デザイナーの才能を生かして、CDやDVD などのジャケットデザインすべてを手がけている。8月には赤坂ブリッツでのワンマンを控え、ファンとの一体感あふれるステージングが魅力で、いま最もブレイクが期待されるバンド。


<最新アルバム>
「夕暮ライン」

(発売/AKATSUKI label)
幼い頃にNHK『みんなのうた』とかで、体に刷り込まれたメロディーってあるじゃない? 童謡みたいなやつよ。根底にはそんなメロディーラインが流れていて、ハードなギターリフとの組み合わせがクセになるんです。もしV系ってジャンルがなかったら、「大正メタル」って名付けたい感じ。お気に入りは、以前オリコンインディーズチャートで2位になった「夢幻洋灯~まぼろしらんぷ~」の新アレンジバージョン。いままで、いそうでいなかったバンドかもね。


Kei-Tee的インタビュー後記

ガロ系マンガ家の大越孝太郎氏にアルバムジャケットを描いてもらった話題が出たので、同じくガロ系マンガ家の山野一(現在は「ねこぢるy」名義で活動)と「育児仲間だよ」という話をしたら、いきなりマコトさんのテンションが上がり、大興奮。「『四丁目の夕日』って作品で、ネジを投げると幸せな世界が広がるシーンが大好き」なんておっしゃるんです。前号で取材したメリーもそうだったけど、「ガロ」が好きだった盤麺って多いのね。私は、山野一さんにめちゃめちゃ影響されて、それで鬼畜道に入ったようなもの(笑)。それが縁で、今は友達になっているんです。昭和が好きなV系と「ガロ」。どこか共通点がありそうよね。


<筆者プロフィール>
けい・てぃー
1973年、東京都生まれ。"神に最も近い男"角川春樹の娘にして、角川春樹事務所顧問、出版プロデューサー。根っからのビジュアル系好きで、元バンギャルにして元アイドル。1歳の愛娘の子育てに奮闘中。自著に、自薦他薦セレブのインタビュー集『セレブの血』(ワニマガジン)がある。<http://keitee.com>

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