洗脳教育でブラック認定! ユニクロ就職不人気の理由

ユニクロ
ご存知柳井正代表取締役社長のもと、国民服を目指すカジュアル衣料ブランド。今年の秋冬には、ジル・サンダーをデザイナーに迎えたラインが登場予定。要チェック!

 6月の国内既存店売上高が前年比6・4%増と、相変わらず好調が続くユニクロ(ファーストリテイリング)。いまやアパレル業界ナンバーワンどころか、小売業界全体でもセブン-イレブンに次いで2位につける大企業だ。さぞかし就職先としても人気沸騰中なのだろう──と思いきや、実は同社、新卒大学生の就職先としては、まったく人気がないのだという。「週刊東洋経済」(東洋経済新報社)が今年1月に報じた「2010年卒業生が選んだ『就職したい会社』100」では、アパレル企業ではワコールがトップで88位にランクインしたのを横目に、ベスト100圏外。ベスト300で、ようやく207位に食い込むという不人気ぶりだ。09年8月期の連結売上予想も過去最高の6270億円に上方修正という躍進企業なのに、なぜ就職人気はそれに比例しないのだろうか?

 就職活動をする大学生がこっそり参考にしている情報に、2ちゃんねるの"ブラック企業ランキング"がある。08年度のこのランキングでユニクロは偏差値67。なかなかの高偏差値である。もちろん"嘘を嘘と見抜けない人は使わないほうがいい"2ちゃんねるでの情報だけに、どこまでアテになるかといえば疑問ではあるが、「リクナビやマイナビのような就職ポータルサイトは、各企業が枠を買って出している情報がほとんど。そんな美辞麗句だけでなく、多少偽の情報が混じっていても、2ちゃんねるなどに蓄積された情報も参照しないと」(大学4年生)というのが、就活生のホンネらしい。

 ユニクロに新卒で入社した正社員はまず、研修を受けた後、店舗に配属され、早ければ6カ月で店長になる。

「売り上げノルマを達成できなかったり、商品管理が甘くて在庫を抱えてしまったときなど、自店を担当しているスーパーバイザーにすごい勢いで罵倒されましたね。『できないなら営業時間を延ばせ』とか、無茶なこと言われたり。会社の方針が完全な実力主義ゆえに、社内競争に皆が必死すぎて、ギスギスしてました。そのくせ、『親切に笑顔で奉仕!』『挨拶の徹底!』とか基本方針を毎日唱和させられて、ちょっとした洗脳。耐えかねて辞めていく新入社員もいます」(元同社社員)

 こういった"教育"の徹底ぶりが"ユニクロ教"とも呼ばれ、同社をブラック企業リストに載せ、学生に敬遠される要因になっているようだ。社内の人間関係についても、千葉県内の店舗に勤務していた男性が98年、当時の上司に頭突きをされたり暴言を吐かれるなどしてPTSDになったと訴えた件に対し、ユニクロ側に約230万円の損害賠償支払いを命じる判決が、08年2月に出されている。「パワハラめいたことは日常茶飯事」(元アルバイト)では、学生はひるんでしまうだろう。

「そもそも、アパレル業界で働きたい学生ならブランドやセレクトショップなど、ファッション性の高い企業に就職したがります。流通・小売業界ととらえると、新卒学生の間で、この業界の志望順位は低い。それで、ユニクロを志望する学生が少ないのだと思います」(都内四年制大学・学生課スタッフ)

 独自路線で快進撃を続ける同社だが、就活戦線では、それが仇になってる模様。だが、「ユニクロ社員を経験すれば、あとはどんな仕事でもやっていけますよ! 修行だと思えばいいんです」(前出・元社員)とのことなので、一度洗脳されてみるのもアリ......なのかもしれませんよ、学生諸君!
(小宮秋浩)

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