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今回の回答者　興和新薬お客様相談センター　様

　よせばいいのに、この新型インフルエンザ騒動の真っただ中に大阪へ行ってきた。私の人生の恩人である中島らもサンの長女、中島さなえチャンが『かんぼつちゃんのきおく』（双葉社刊）という処女エッセイ集を上梓、その出版記念パーティーに出席するのが目的である。この本、名エッセイストとしても知られた父親のDNAを見事なまでに受け継いだ「ちゃんと人様からお金を取れる」内容だ。興味のある方は、ぜひお買い求めください！

　……って、宣伝はさておき。今回の大阪行きにはけっこうビビっていた。私が行く数日前に「大阪旅行をして帰ってきた男性」が新型インフルに感染したという報道があったからだ。

　もし万が一かかったら「世田谷在住の放送作家」とか書き立てられてしまうのか!?

　しかし、そんな自意識過剰な心配は、ただの杞憂であった。いざ大阪の街を歩いてみると、マスクをしている人は意外と少ない。いたとしてもアジアからの観光客が大半。一応念のために持参したマスクも、2日間の滞在中、1回も着けずに終わった。

　まあでも話を聞いてみると、そんな大阪もほんの1週間ほど前まではさすがにスゴかったらしい。とにかくマスクをせずに外を歩く人は、周りから「これでもかッ！」というぐらい白い目で見られたという。

「ほんまにどこ探してもマスクが売り切れなんよ！ほうぼう歩き回って、やっと手に入れたんが子ども用の給食マスクで。でもマスクしてないと電車も乗られへん雰囲気やったから、仕方なくそれ着けててん!!」

　大阪在住の知人サキタちゃんの話である。ちなみに彼女、顔がか～なりデカい上にパーカッショニストなので（!?）アフロヘアにしている。そのパンチの効いたルックスで、子ども用のちっちゃいマスクをしていたとは大笑い。しかし、一時はそのくらい大阪中がパニック状態だったということか。

　そこで今回、このところ話題独占！なマスクについての、こんなギモンをぶつけてみたい。だから直接、興和新薬お客様相談センターに聞いてみた。

『99.9%ウィルスカットのマスクって、本当にそんなにカットできるのですか?』

担当者 『三次元マスク』（商品名）ですね。もちろんカットできております。

──どんな調査をした結果なのですか?

担当者 アメリカのネルソン研究所というところで遮断率の試験をいたしまして、その（実験）結果を表示しています。

──でもマスクのスキ間から、かなり空気が入ってきてるような気がするのですが。

担当者 あくまでも（実験の）数値は、マスクの正面からの遮断率となっております。（マスクのスキ間に関しての）調査はしていないのでわかりかねます。

　え！正面からだけなの？さらに人の顔の形によって遮断率が違ってくるらしい。

担当者 鼻の形によってはスキ間ができやすい人もいるでしょうし、口の形も人それぞれですので、スキ間ができやすい顔の方と、そうでない方がいらっしゃいます（キッパリ）。

　つまり、やたら鼻がデカかったり、口がとんがってたりしてスキ間ができちゃうと、せっかくのマスクも意味ナシってことか……。

　どうやらマスクの世界でさえ、顔の形がスラリと整ったイケメンのほうが有利。私のようなブサメンは、地道にウガイと手洗いを励行して予防に努める以外なさそうである。

［興和新薬株式会社］
愛知県名古屋市に本社を置く大手商社・興和の子会社。1954年に医薬品・ヘルスケアの部署が独立し、設立された。一般的に『ウナコーワ』『キューピーコーワゴールド』などが有名。ちなみに、CMに起用するタレントは、エロ詩吟の天津木村から清純派アイドルの逢沢りなまで幅広い。

さめはだ・もんぢゅ
1965年、神戸にて誕生。放送作家。『ぐるぐるナインティナイン』（日テレ系）、『さんまのスーパーからくりTV』（TBS系）などを手がける。ここんとこ、大阪行ったり、柄にもなく沖縄の離島でスキンダイビングしたりと、旅行づいている。夏には虎キチの友人と広島の新球場まで野球観戦ツアーの予定もあるし。出不精なのになんか誘われてついて行くパターンで。持つべきものは行動派の友だなあ。