──日本における大麻規制は、いつ頃から、どのような経緯で始まったのだろうか? アヘン戦争から連なる、その歴史をひも解いてみると、常に大国アメリカの存在が......。
日本で大麻規制が始まったのは、第二次世界大戦後。戦後、GHQの指示の下で、さまざまな法律の整備が進められていく。そうした状況の中で、アメリカ本国のみならず国際的にも規制されていた大麻もまた、その対象とされたのである。
しかし、当時の日本には大麻文化があった。大麻を嗜好品として使用する慣習はほとんどなかったが、神事に使われるなど、文化上重要な位置にあった。また、茎を原料とした紡績産業も盛んであった。このため日本政府は、国内の大麻産業とその従事者を保護する目的から、GHQに対し譲歩を求めた。