「俺はまだまだ怒っている!!」 カンニング竹山が目指す "大人の怒り方"とは?

キレキャラ封印を否定するカンニング竹山。

 ピン芸人となってからは司会進行の仕事も増えて、すっかり落ち着いたキャラが定着しつつあるカンニング竹山。バラエティで怒鳴り散らしながらスタジオに乱入する「怒り芸」は、もう封印してしまったようにも見える。今では、プライベートでも怒る機会は減っているのだろうか?

「いや、そんなことないですよ(笑)。後輩に対しては怒るし、ニュースを見てても怒ることはあります。ヤミ金に苦しむ主婦とかをテレビで見てると、『どの面下げてテレビに出てるんだよ、借りたもの返すのは当たり前じゃねえか』って腹立ってくるんです。そこに悲しい音楽を乗せて、いかにも悲劇のヒロインみたいに見せるじゃないですか。ああいうのが、すごく嫌なんです。借金で苦しむのって基本的には全部自分が悪いんで、結局は自分を変えるしかないんですよね」

 自身も過去に600万円の借金を抱えて苦しんだ経験があるだけに、その語り口には妙な説得力がある。だが、ここまで熱く語った後で、竹山はふと気を抜いたような笑みを浮かべた。

「でもまあ、僕みたいな30代後半の男が、そんな偉そうなこと言うのも違うのかな。もうちょっと年を取ったら、毒蝮三太夫さんみたいになりたいと思いますけどね。いっつも世の中に対して怒り散らしてるけど、最後に『風邪引くなよ、ババア』って優しい言葉をかける。あれが理想ですね」

 昨年10月に行った「放送禁止」と題した単独ライブは、「テレビではできないことを追求した」というネタが評判を呼び、芸人として新しい"カンニング竹山"を模索し始めている。

「ライブに関しては、お金を払って見にきてくれた大人の人に納得して帰ってもらえるものを作りたい、という意識はありました。内容については、いい意味で裏切ることができたんじゃないかと思いますね。オラーッてただ叫んで登場して放送禁止用語を連発するとか(笑)、そういうことをやったわけではないので」

 末は毒蝮三太夫か、綾小路きみまろか。どんな方向に進化を続けていくのか、竹山が目指す次なるステージに、期待が高まるところだ。
(ラリー遠田)

DVD『カンニング竹山単独ライブ「放送禁止」』
昨年10月に新宿シアターサンモールで敢行した初単独ライブの模様を収録。借金地獄に苦しんだ若かりし頃の体験談を告白したり、前田健とボーイズラブを熱演するなどの過激な企画が満載。ただ放送禁止用語を連発するだけじゃない竹山の過激な芸を、存分に堪能できる。
発売/Contents League/ビクターエンタテインメント 価格/3990円(税込) 発売日/3月25日

カンニングたけやま
本名・竹山隆範(たけやま たかのり)。1971年、福岡県生まれ。92年相方中島忠幸と共に「カンニング」を結成。独特のキレ芸と毒舌でブレイクを果たす。06年以降はピン芸人として活動。バラエティだけでなく、情報番組などにも出演。また映画『感染列島』出演など、活躍の場を広げている。

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